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第86回マーケティングサロンレポート「ヘルステック業界の新潮流、そして医師起業家として挑む「医療の再発明」」

第86回 マーケティングサロン:東京
「ヘルステック業界の新潮流、そして医師起業家として挑む「医療の再発明」」
日程:2019年2月16日(土)19:00-21:00
場所:中央大学ビジネススクール(後楽園キャンパス3号館)11階 31100教室
ゲスト:メドピア株式会社 代表取締役社長 CEO(医師・医学博士) 石見 陽 氏
サロン委員:金子 大介・田中 智子・香川 勇介
 
【サロンレポート】
 超高齢社会の進展に伴い医療費が大幅に増加していること、また、最近では介護離職についても大きな社会問題となっています。同時にこの業界へ参入している企業も多いことからも、無視することはできない、非常に大きな課題として捉えることができるのではないでしょうか?
 これら医療分野の様々な課題の解決策として期待されているのが、最新のICTを駆使して新しい価値を生み出している「ヘルステック」です。
 今回のサロンでは、全国の医師の3人に1人が会員である医師専用コミュニティサイトを創出したメドピア株式会社代表取締役社長 CEO(医師・医学博士)石見陽様をお迎えして、メドピア株式会社の「ヘルステック」がもたらすイノベーション、その価値やチャンスについて、マーケッターのメンバーとともにディスカッションしました。
 今もなお、医療分野で様々な新たなサービスが生み出されているヘルステック業界において、石見様は、ヘルステック業界全体を牽引していらっしゃるお一人です。
 
【概要】
メドピアグループの事業を紹介
 メドピアグループの事業はすべて、Mission(存在意義)に沿って展開されているとのお話でした。Mission: Supporting Doctors, Helping Patients. 医師を支援すること。そして患者を救うこと。具体的には、MedPeerのドクタープラットフォームを基盤として医師や医療現場を支援するサービスであるドクタープラットフォーム事業。このサービスによって、1人の医師が目の前の患者の治療に迷った時、MedPeerが全国の医師の「集合知」を提供することで、最適な治療法を見つけることをサポートされています。そして、健康増進・予防などのコンシューマー向けヘルスケア支援のサービスであるヘルスケアソリューション事業。このサービスでは、メドピアグループの医師、そして管理栄養士の専門家ネットワークを活かすことで、「医と食」の両側面から、健康増進・予防をサポートされています。そしてまだ多く存在する医療分野の様々な課題に対して、事業提携による新規事業開発により、新しい価値を提供されています。
 

講演されるゲストの石見氏
 
MedPeer誕生からの成長の軌跡
 現在では12万人の医師がMedPeerの会員ですが、誕生当初は石見様自らが全国の学会を回るなど奔走して、約7,000人まで自力で会員を獲得したとのことです。その後は企業提携を積み重ねて会員を獲得し、2014年6月27日に東証マザーズへの上場を果たします。一見、輝かしい成長に目を奪われますが、実は暗黒時代や停滞期があったことを赤裸々に語って頂きました。そのような状況においても、ヘルステック業界の環境変化は加速度的に激変していきました。規制緩和や投資の流入、そしてスタートアップ企業の増加といった環境変化に対し、石見氏は「Doctorepreneur(Doctor + Entrepreneurの造語=医師起業家)」を新たに提唱します。医師の従来の役割である「臨床」、「研究」、「教育」に加えた新しい役割として、「事業づくり」があると言います。そうすることで、ヘルステック業界のドライバーとバリアーを見極め、様々な医療問題に提供するサービスに付随する課題を解決したのです。
 
ゼロからイチを創るとは?
 石見氏からはイノベーションとマーケティングの位置付けについて、本質的な視点からお話し頂きました。本来マーケティングは、「顕在的」な顧客の欲求を満たす価値の提供であり、イノベーションは「潜在的」な顧客の欲求を満たす新しい価値を提供するものだと。ヘルステック業界は業際的であり、様々な領域にチャンスがある!例えば、栄養学の分野。医師は栄養についても一見詳しいと思われがちだが、実はそうではなく栄養士が今後非常に重要な役割を担うといった話題や、心理学、スポーツ、介護、健康経営、海外、IT、歯科、サービス、アートなど、様々な領域がヘルステックに関与します。最後にメドピアグループは、日本の医療体制の大きな変化の方向性を視野に踏まえ、「Supporting Doctors, Helping Patients.」のMissionに則り、セルフケアの領域から在宅医療の領域まで、まさに「ゆりかごから墓場まで」のサービスを展開されると力強くお話し頂きました。
 

写真左から、質疑応答に応える石見氏、集合写真(前列中央 石見陽氏)
 
【サロンを終えて】
 石見氏の講演の中にこんなメッセージがありました。それはメドピアの暗黒時代に、石見氏が「なぜ私たちはこの事業を行っているのか?」と自問自答され、MissionがStartであり、VisionがGoalであることを再認識したとのメッセージです。常に、医師を支援し、患者を救うというMission。そして集合知により医療を再発明するというVision。私もヘルスケアの業界に携わる会社のマーケッターとして、深く印象に残ったメッセージでした。ヘルステックの活用領域は、今後益々多岐に渡り、そして加速度的に進化します。その中で「ヘルステック」が実現するサービスの価値提供に関与するマーケッターも加速度的に多くなると考えます。ヘルステック業界は、大きなビシネスチャンスが多数眠っていると同時に、この業界に関与するマーケッターは、常に忘れてはいけない大事なメッセージを石見氏より頂いたと思います。
 
(サロン委員:香川 勇介)

 
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