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第114回マーケティングサロンレポート「世界を旅して働こう~定額で世界中に住み放題「HafH(ハフ)」の市場創造~」

#いまマーケティングができること

第114回 マーケティングサロン(嶋口内田研究会):オンライン
「世界を旅して働こう~定額で世界中に住み放題「HafH(ハフ)」の市場創造~」
 
日程:2020年9月18日(金)19:00-21:00
場所:Zoom使用によるオンライン開催
ゲスト:株式会社KabuK Style Co-founder 大瀬良 亮 氏
サロン委員:佐藤 圭一・金 泰元・芦田 裕・八尾 あすか・尾崎 文則

 
【サロンレポート】
 コロナ禍は企業のデジタルトランスフォーメーションを加速するとともに、ワークスタイルやライフスタイルにも大きな変化をもたらしています。
 そんな中、世界的な潮流となりつつあるコリビング(Co-living)が日本でも広がりを見せています。今回のマーケティングサロンでは、日本発のサブスク型住居サービス「HafH(ハフ)」を運営するスタートアップ企業「KabuK Style」Co-founderの大瀬良亮氏をお招きしました。
 ライフスタイルの提案を通して新たな市場創造に取り組む挑戦を伺いながら、参加者でアフターコロナのマーケティングについてディスカッションを行いました。
 
【ゲストプロフィール】
大瀬良 亮 氏
株式会社KabuK Style Co-founder
1983年、長崎県生まれ。2007年に筑波大学を卒業後、電通入社。在京若手県人会「しんかめ」を主宰、原爆の実相を伝える「Nagasaki Archive」発起人として、文化庁メディア芸術祭に出展等。2015年 から官邸初のソーシャルメディアスタッフに。2018年4月、つくば市まちづくりアドバイザーに就任。2018年11月、「世界を、旅して働く。HafH」リリース。2019年9月 電通退社。
 
【概要】
コリビングが世界的潮流に
 近年、アドレスホッパーやDigital Nomadなど、日本でも「旅して働く」市場に注目が高まっています。2035年までに90億人まで人口が増加するといわれるなかで、30億人、低くみても10億人のリモートワーカーが世界中に生まれるといわれています。そんな中、コリビングに注目が集まっています。
 コリビングは、どこでも働ける人たち向けのシェアハウスです。コワーキングスペースにベッドが用意されているところから始まりました。移動が多い人にとって「1ヶ月住みながら働きたい」場所で敷金や礼金といったルールは大変厄介です。敷金、礼金といった余計な費用を抑え、家具や光熱費も込みの職住近接の共同住宅を指しています。
 
HafH(ハフ)は日本初のサブスク型住居サービス
 首相官邸のSNS Directorとして3年間を過ごす中、のべ70か国、地球15周分以上の移動をしながら働いてきました。そこで感じたことはいつ、どこにいても自由に働くことができる、ということでした。世界的なコリビングの潮流が生まれ、世界各国でユニコーン企業が生まれ巨額の資金調達を成し遂げています。長崎から世界に向けたコリビングサービスを生み出そうと、大学時代からの友人とともに立ち上げたサービスがHafHです。
 HafHの会員はサブスクリプション(定額制)の費用(8.2万円/3.2万円/1.6万円)を毎月支払うだけで、世界235都市371拠点、ホテルや旅館、古民家タイプの宿泊施設などバラエティーに富んだ拠点の中から選んで利用することができます。
 HafHが目指しているのは「多様な価値観を、多様なまま許容する社会インフラ」です。これまで、Live/Work/Travelはそれぞれ異なるものとしてライフスタイルは捉えられてきました。HafHでは一人ひとりのライフスタイルを自由に選べる社会の実現を目指して、住まいの自由、職場の自由、移動の自由を提供しています。HafHを利用することで、ユーザーは暮らす場所で働くだけではなく、旅をするように暮らす、旅をしながら働くといったライフスタイルが実現します。
 欧米やアジアで暮らすデジタルノマドに聞いてみると日本には来たことがないといいます。そしてその理由を聞くと「行きたいけれど、物価が高くて、騒がしいんでしょう?」といいます。
 しかし、日本の地方はまったくそんなことはありません。日本の地方は世界にとっても魅力的なコリビングになるのでは?という想いをもち、生まれ育った長崎から世界に向けてHafHサービスを展開しています。
 
HafHは“土”の人と“風”の人のコーディネーター
 コリビングは「場所」だけでは成功しません。コミュニティ、ビジョン、場所づくりの3つの柱が必要です。コミュニティづくりでは、地元と外をつないでくれるコミュニティマネージャーの存在が重要です。また地域に、社会に、未来にどんな影響を与えるのか、ビジョンを明確にする必要があります。さらに誰が使うのか見えない場所づくりは結果、誰にとっても不便なものとなってしまいます。
 HafHでは“土”と“風”というキーワードを大事にしています。“土”の人は、土地に根付いた地元の人。“風”の人は、外から来る、風を吹かせる人です。いい土といい風が混じって、いい風土ができます。HafHの人はみんな、風の人です。
「東京にしか“いい風”が吹かない」という点が地方の悩みでした。HafHがいい風を地方に吹かせる“風土(フード)”コーディネーターという役割を担っています。
 
HafHのユーザーは30代以下の「変化を求める男女」
 HafHのユーザーは30代以下のミレニアム世代が約7割を占めています。フリーランサーの利用が多いというイメージがありますが、職業別では会社員が約4割となっています。特に、コロナ禍で大きな伸びをみせ、HafHの月間宿泊数も約1,000泊から約2,000泊へと倍増しました。
 「移動」を通じて、見るもの、出会う人が変わり、必然的に価値観の変化が生まれます。ユーザーの皆さんは今の暮らしに何か、変化を求めている人といえるではないでしょうか。
 会社員の方も、平日の出張利用、休日の旅行に合わせて地域の魅力を味わう、といった利用をしていただいています。
 
SNS、PRを通した共感のマーケティング
 HafHの立ち上げはmakuakeのクラウドファンディングでスタートしました。3か月で1,000万円以上の寄付が集まり、400人を超える人が応援してくれました。企画に対して、140の熱い応援メッセージを寄せてくれ、多くの方に望まれていたサービスであることを実感しました。個人からのサポートとともに、メディアからも多くのサポートをいただきました。NEWS PICKSでもインフルエンサーの方から共感や賛同をいただくとともに、大手メディアでも紹介いただくことができました。
 広告はほとんど打たずにクラウドファンディングをきっかけに、メディアでのPR、SNSに注力し、共感のマーケティングを実践しています。また、HafHユーザーの方をアンバサダーとして任命し、SNSなどを通してユースケースの発信も担っていただいています。
 PR観点では、若者が使っている流行のサービスといった文脈ではなく、「これからの社会、働き方」といった文脈で発信することができてきました。加えて、社会の変化を捉えた都度都度のキーワードに合わせた発信も行っています。2019年はアドレスホッパー、2020年はワーケーションといった文脈でのPR活動を行っています。
 
ワーケーションが企業にもたらす5つのインパクト
 現在、HafHではJR西日本やANAなどの交通インフラ事業者とも提携し、ワーケーションプログラムを提供しています。
ワーケーションは「ワーク(仕事)と「バケーション(休暇)」を組み合わせた新しい言葉です。場所に捉われず働ける時代において、お気に入りの場所で仕事することで、通勤や職場のストレスを減らし、日々の充実感をあげ、ワークライフバランスの向上を促す働き方といえます。
 このワーケーションを広げていくため、HafHでは法人向けワーケーション実証実験をコンソーシアム形式で推進しています。
 本来のテレワークは「在宅勤務」だけを意味するものではありません。“場所にとらわれず働けること”が本来の姿です。With/After COVID19の中で、「自宅で働く」ことから、「コワーキングスペースで働く」、「場所にとらわれず働く」とテレワークを進化させていくことができるか、企業に問われています。
 HafHでは、コロナ禍の働き方改革の1stステップとしてワーケーションを提案しています。
ワーケーションには5つのインパクトがあると考えています。それはHealth Impact(社員の健康増進、ウェルビーイング)、Business Impact(オープンイノベーション、新規事業・協業)、Social Impact(地域課題の解決)、Green Impact(環境問題への配慮)、Family Impact(社員の家族関係の構築)です。ぜひご関心のある企業の方はコンソーシアムへの参加をご検討ください。
 
【サロンを終えて】
 今回のサロンを企画するにあたり、コロナ禍によって加速する社会の変化を捉え、市場創造に挑戦する方をゲストにお迎えしたいと考えていました。
 新卒入社同期のよしみで引き受けていただいたゲストスピーカーの大瀬良さんにこの場を借りて御礼申し上げます。以前から大瀬良さんは特に“社会の変化”を読み取るセンスが抜群だと感じていました。その秘訣を聞くと「五島列島に暮らす高校生の見方から、首相・大統領の地球儀レベルの見方まで幅広く触れてきたから」といいます。
 コロナ禍で大きく変わる働き方。働きたい人がもっと自由に働ける社会が理想です。「電通人として働きたいから、電通を退職した」という想いを語ってくださった大瀬良さん自身の生き方や、HafHのサービスを利用しながら新たなライフスタイルを実践するユーザーの姿から、一人ひとりのライフスタイルを自由に選べる社会の実現も間近なものと感じられました。
 

集合写真(左上:ゲストの大瀬良氏)
 
(文責:尾崎文則)

 
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