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第145回マーケティングサロンレポート「YOASOBIから学ぶこれからのコンテンツマーケティング」

#いまマーケティングができること

第145回マーケティングサロン:オンライン
テーマ:YOASOBIから学ぶこれからのコンテンツマーケティング
 
日程:2022年1月13日(木)19:00-21:00
場所:Zoom使用によるオンライン開催
ゲスト:株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント REDエージェント部 
    屋代 陽平 氏、山本 秀哉 氏
サロン委員:白井 明子・清原 康毅・岡田 庄生
 
【ゲストプロフィール】
屋代陽平氏屋代 陽平 氏
2012年ソニーミュージックグループ入社。音楽配信ビジネスを経たのち、2017年に小説投稿サイトmonogatary.comを立ち上げる。2019年、同サイトの企画の一貫でYOASOBIプロジェクトを発足。

 
山本 秀哉氏山本 秀哉 氏
2012年ソニーミュージックグループ入社。CDやゲームのパッケージ制作業務を経て、現在はさまざまなアーティストの宣伝・制作業務に携わる。2019年よりYOASOBIプロジェクトの立ち上げに参画

 
【サロンレポート】
 YOASOBIは、コンポーザーAyaseとボーカリストikuraによるクリエイターユニット。「小説を音楽にする」がコンセプトで、デビュー曲「夜に駆ける」はストリーミング7億回再生を突破し、幅広い年齢層から人気です。今回のサロンでは、YOASOBIが生まれたきっかけ。ソニーミュージックの関わり方などお話をいただきました。
 
YOASOBI誕生のきっかけ
 YOASOBIは小説投稿サイトmonogatary.comがきっかけとなり誕生。「小説を音楽にする」というコンセプトでAyaseとikuraのユニットを結成。「まずはやってみよう」と「夜に駆ける」のMVを2019年11月にYoutubeにアップ。「小説を音楽にする」のコンセプトが新しく、コロナ禍でエンタメ情報を求めていたメディアに多く取り上げられた。取材の場でも2人の人柄が好かれ、さらに仕事が増えてくるといった好循環も。年末の紅白歌合戦で初めて生歌を披露。本に囲まれたシチュエーションでの演出により「小説を音楽にする」の世界観が伝えられた。
 
初CDリリース時の工夫
 紅白後、初めてのCD「THE BOOK」をリリース。音楽配信サービスが隆盛の中でも購入して貰う工夫を随所に織り交ぜた。最近の若い子は「買い物で損をしたくない」という点を意識。収録曲はリリース済の曲とし、作品の世界観をバインダーで綴じ込んだ豪華仕様の限定販売とした。
 
初のラジオレギュラー「オールナイトニッポンX」への出演
本人達のパーソナリティを伝えられ、かつトーク力を磨きライブでのMC力も上げられるようにとラジオのパーソナリティに挑戦。結果的に本人たちのトークで人柄が伝わりリスナーも魅了。ラジオはソーシャルメディアとの相性の良さ(Twitterにもログとして残り、気づきを与えられる)もあり、接点作りとして非常に有効なメディアであった。
 
初の有観客ライブ開催
2021年12月に武道館で初の有観客ライブを開催。コロナ禍で入場制限があり、それを逆手にとりアリーナ席を無くし「今まで見た事がない“でかい”ステージ」を実現させた。床全体をモニターにし、全ての演奏曲で楽曲に合った映像を流すことで「小説を音楽にする」という世界観を伝えることができ、多くのメディアに取り上げられた。
 
まとめ
YOASOBIは楽曲提供だけじゃなく、小説、MV、ラジオ、グッズ、ライブ、ファンクラブなどあらゆるコンテンツで囲い込むビジネスモデル。これらを統括できているのが強み。入口をしっかり作った上でマネタイズポイントを作る。武道館ライブの配信をファンクラブ限定にしたのも、今ファンクラブに入ってくれると将来的にも長くファンでいてくれると考えたから。
 
【質疑応答】
 コラボ企業を選択する基準はあるか? コラボでやらない事は?想定ターゲットは? 周囲から反対されたけど上手く行ったことは? など非常に多くの質問が寄せられ、質問に対し屋代様、山本様から丁寧に回答して頂きました。
 
【サロンを終えて】
 今回の屋代様、山本様のお話で「入口をしっかり作った上でマネタイズポイントを作る」という言葉が印象的でした。「相手(ファン、コラボ企業など)の嬉しい事が実行できれば、マネタイズは後からついてくる」という意味だと解釈しました。ユニクロ本社からの配信ライブは、その好例で、コロナ禍で表現の場を失った大阪桐蔭高生、オフィスが使われるユニクロ社員、視聴するファン、皆にとって嬉しい事であったと思います。そして多くのメディアに取り上げられた事を考えると、いずれマネタイズにつながる事だと思われます。本当によく考えられていると感心させられました。今後どんな“手を打ってくる”のか、YOASOBIの展開が楽しみでなりません。
 最後になりますが、ご登壇いただきました屋代様、山本様、ご協力いただきました皆様に心より御礼申し上げます。
 

記念撮影:屋代様、山本様、法政大学西川教授、司会の白井さん
 
(文責:清原 康毅)

 
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