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第148回マーケティングサロンレポート「次世代型組織「ティール組織」の実践から考える!マーケティング、DX、ダイバーシティ、ソーシャルインパクトの要諦」

#いまマーケティングができること

第148回マーケティングサロン:オンライン
テーマ:次世代型組織「ティール組織」の実践から考える!マーケティング、DX、ダイバーシティ、ソーシャルインパクトの要諦
 
日程:2022年3月2日(火)19:00-20:30
場所:Zoom使用によるオンライン開催
ゲスト:株式会社ガイアックス チーフ・カルチャー・オフィサー 木村 智浩 氏
サロン委員:今井 紀夫・嶋尾 かの子・深澤 了
 
【ゲストプロフィール】
木村智浩氏木村 智浩 氏
株式会社ガイアックス チーフ・カルチャー・オフィサー 
奈良県生まれ。早稲田大学卒業後、ガイアックスで様々な部門を経験。
ミネルヴァ大学院卒業生と教授による自己革新プログラムproject MINTコーチ。システム思考や学習する組織を学ぶシステムリーダーシップ実践コミュニティのコミュニティ・ストラテジー・オフィサー。

 
【サロンレポート】
 今、DXやSDGなど様々な面から企業のあり方について変革が求められています。想定外の変化が連続的に続き、様々な問題に直面する中で、ピラミッド的な組織運営に代わり、どのようなリーダーシップや組織が必要なのでしょうか。
 今回は次世代型組織「ティール組織」著者の来日カンファレンスの世話人であり、起業家を輩出するスタートアップスタジオの株式会社ガイアックスのチーフ・カルチャー・オフィサーの木村智浩氏をお招きし、次世代型組織、ソーシャルインパクト、ティール組織・ホラクラシー・自然経営・フロー経営、次世代組織と資本主義のネクストステージなどについてお話いただきました。
 
 会の冒頭、木村氏は、ティール組織についての基本的な理解や知識を問う「ウェルカムアンケート」を実施。それら回答をリアルタイムで画面共有するところから始まりました。
 

 
 さらに、画面にQRコードを共有し、スマートフォンでの参加を促します。木村氏は自身の発表しながら、クイズを出題。普段のサロンではあまり見られない双方向が溢れる形でサロンが進行します。クイズはバングラディッシュの最低賃金やオーガニックコットンが全コットンに占める割合などを問うものでした。
 
 クイズの意図について木村氏は「本当のSDGsってなんだろう?」ということを明かしてくれました。
 
・「自分で国や社会を変えられると思う」と思っている日本での18歳の割合は18%
・企業の中で起こっている問題は、学校でも、家庭でも起こる。
・分断や格差や環境問題を乗り越えるために、GDPではなく、GDW(Gross Domestic Well-being/国内総充実)を追いかけるべき。
 

 
 これらの問題提起をしながら、ガイアックスのティール組織についての話に移っていきます。
 
 ガイアックスは、あらゆる社会課題を「シェアリングエコノミーで持続可能な社会をつくる」ことを目的にしています。「自分のミッションを大切にしよう」が組織づくりで大切にしていること。理念浸透という概念はなく、「あなたがやりたいことがガイアックスの中のどこかに接点がある」という考え方で、組織運営がなされています。ポイントは組織と従業員との「共感」。そのため以下のような組織の特徴があると言います。
 
・新卒入社卒業生の60%が起業し、そのうち4社がIPOを達成。
・新規事業は社内事業部化して投資、いずれ連結決算からも外していく
・誰もが起業家になれるため、上司部下の関係性はほぼない。
・従業員かつ業務委託。社内副業制度。キャリア、報酬、売上成長。
・テレワーク率90%。地方移住者も多い。
 

 
 ブレイクアウトルームで参加者同士、ディスカッションする時間もあり、その後、内容をシェアしたところこんな話があがりました。
 
・組織での統制をとった成長ではなく、人と人の共感が大切になる。
・大学組織で考えると、ティールになったらありかたや学生への接し方が変わりそう。
・個人が自立、自律、自走するためにはどうしたらよいか。
・新卒社員は自律分散に触れた時、どのような反応を見せることが多いのか。
・大手企業にどう適用、応用しようか。
 
 木村氏はさまざまなコメント、疑問、質問に答えつつ、最後にガイアックスについてこんな話をしてくださいました。
 
「あなたの全ては、あなたが決める」
これがガイアックスが従業員に発しているメッセージ。
「フリー」、「フラット」、「オープン」というカルチャーに基づき、運営しています。
 
 四半期ごとに面談を行い、どんな仕事をしたいのかを聞き、本人が給与テーブルをつくり、決めます。もちろんそこで上司とのコミュニケーションによって「だったらこのくらいやってよ」という話はよくあるそうです。「あなたが何者になるかはわからない」が根底にあるそうです。
 
 「それぞれの自己決定を促すしかけ」について、さまざまな具体的事例をもとに、お話をしてくださいました。
 
【サロンを終えて】
 これまでは統制された組織の中で、拡大を目指して成長をした企業が評価されてきました。しかし、これからの組織は人と組織、そこで働くそして人と人の
 共感こそが、結果的に組織をつくっていくのだと思いました。理念に基づき、経営者は「しくみ」をつくり、そのしくみによって人の主体性、可能性を引き出すさまざまな試みがティールそのものである、という印象を持ちました。経営において、理念-戦略-現場の一貫性が重要であることは、自明のことですが、多くの組織でそれが自信を持ってできているとは、言えないでしょう。組織の論理で理念を「浸透」させるのではなく、いかに個人と組織が共感の接点を持てるのか。これを自社の文化に照らし合わせて、考え抜き、しくみをつくることが、結果的に理念-戦略-現場の一貫性をつくれるのではないか、と思いました。
 

 
(文責:深澤 了)

 
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