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研究報告会レポート

第5回ソロモン流消費者行動分析研究報告会レポート 連続模擬講義「『1からの消費者行動』を小石川ファミリーと学ぼう!」(第2回)

第5回 ソロモン流消費者行動分析研究報告会 > 研究会の詳細はこちら
連続模擬講義「『1からの消費者行動』を小石川ファミリーと学ぼう!」(第2回)
日 程:2016年4月14日(木)18:30-21:00
場 所:一橋大学千代田キャンパス1F リエゾン・ラボ
 
構成:
1. 18:30〜19:40 第3章 学習―人間はしょせんパブロフの犬か?(50分講義、20分質疑)
 講師:山本 奈央(名古屋市立大学大学院 経済学研究科 講師)
(19:40〜19:50 休憩)
2. 19:50〜21:00 第4章 記憶―思い出は美化される?(50分講義、20分質疑)
 講師:松井 剛(一橋大学大学院 商学研究科 教授)
 

【報告会レポート】
 本研究報告会では、研究会メンバーにて執筆した『1からの消費者行動』に基づく模擬講義の第2回目が行われました。冒頭には、編著者の松井先生からテキストに関する説明と実際の講義で行われたレポートの解説がありました。
 研究会の前半は、第3章の「学習」に関する講義です。講師の山本先生は、事例や動画を織り交ぜ、テンポよく講義を進行していきます。基本的な考え方である行動学習理論と認知学習理論に関する解説から始められた講義は、教科書のショートストーリーに沿いながら、レスポンデント条件付け、オペラント条件付け、観察学習など、具体的な理論の説明へと展開されます。オペラント条件付けに関する解説時には、実際の実験動画が用いられており、多くの参加者が興味深そうに見入っていました。若手教員の方々にとっては、受講生を講義に引き付ける上で、大いに参考になったのではないでしょうか。講義の終盤には、学習理論のマーケティングへの活用が整理され、理論と実務との結びつきが確認されていきます。質疑応答では、近年の事例や実務上の疑問に基づく鋭い質問が投げかけられ、有意義な議論となりました。
 
山本先生
山本先生
 
 後半は、第4章の執筆者である松井先生の「記憶」に関する講義です。教科書で取り上げられている「バブル時代の思い出」を皮切りに、消費者の記憶に関する解説が進められます。まずは内部記憶である短期記憶と長期記憶の分類と、外部記憶である買い物リストの重要性についてです。国内では見逃しがちな買い物リストですが、文化の異なる国外においては、重要な役割を担っていることが強調されました。続いて、スキーマとスクリプト、連想ネットワーク、再生と再認の違いなど、消費者行動における重要な理論や分類についての説明が加えられた後、映画『Always三丁目の夕日』を引き合いに出しながら、近年、注目を集めている集合的記憶、ノスタルジア、レトロブランドなどについても解説が進められていきます。松井先生のウィットに富んだお話に、会場からもたびたび笑い声が上がる和やかな雰囲気の講義となりました。豊富な事例に、理論と現実の結びつきを多くの参加者が実感されているようでした。
 
松井先生
松井先生
 
(文責:石井裕明)

 
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