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研究報告会レポート

第4回アグリ&アクアフード・マーケティング研究報告会(春のリサプロ祭り)レポート「地域産品ブランドと地理的表示(GI: Geographical Indication)」

第4回 アグリ&アクアフード・マーケティング研究報告会(春のリサプロ祭り) > 研究会の詳細はこちら
テーマ:「地域産品ブランドと地理的表示(GI: Geographical Indication)」
報告①「地域産品ブランディングにおけるGIの意義と課題」
    小林 哲 氏(大阪市立大学経営学研究科 准教授)
報告②「GIを活用した地域産品ブランディングの課題-山形県新庄市を事例として-」
    折笠 俊輔 氏(公益財団法人流通経済研究所 主任研究員)
ディスカッション「地域産品ブランドにおけるGIの活用可能性」
 
日 程:2017年3月18日(土)13:00-14:30(春のリサプロ祭り内)
場 所:中央大学ビジネススクール31101教室
 

【報告会レポート】
 2017年3月18日、第4回アグリ&アクアフード・マーケティング研究会が、中央大学ビジネススクールで開催されました。2016年度は、カンファレンスのリサーチプロジェクトセッションでの報告があったものの、通常の報告会はこれが初めてとなります。なお、本報告会は、「春のリサプロ祭り」として、他のリサーチプロジェクトと共同開催となったため、30名近い方にお集まりいただき、大変盛況な会となりました。
 今回のテーマは、2016年6月に施行された「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」で注目されている地理的表示制度です。商品の特徴や差別優位性を特定の地域と関連づけて説明することが多いアグリ&アクアフードにとって、地理的表示(Geographical Indication、以下GI)は、そのブランディングにおいて重要な要素となります。
 そこで、報告会では、まず大阪市立大学の小林(アグリ&アクアフード・マーケティング研究会リーダー)が、地域産品ブランディングの観点から、GI制度の意義と課題について報告しました。ブランディングは、一般に、ブランドの確立期と確立されたブランドの維持活用期の2つに大きく分けられます。そして、GI制度は、ブランドの確立期よりもブランドの維持活用期、特に海外でのブブランドの保護について大きな効力を発揮することが指摘されました。
 一方、もう一人の報告者である流通経済研究所の折笠(アグリ&アクアフード・マーケティング研究会企画運営メンバー)は、山形県新庄市の「ii-nya FOOD(いいにゃ風土)」ブランドの事例を通して、GI制度に申請することが地域ブランディングだという誤解が現場で生じていること、また、GI制度は、一定期間(概ね25年程度)継続的に生産されている農林水産物およびその加工品を対象とするため、顧客ニーズに合わせて伝統的な製品をアレンジしたり、新たな地域産品を生み出そうとする場合には不向きであることが示されました。
 その後、フロアを交えてのディスカッションに移り、フロアから、知名度の向上や地域産品ブランディングに向けた地域のまとまりの形成など、ブランドの維持活用期のみならずブランドの確立期においても、GI制度は一定の効力を有することや、ii-nya FOODブランドを立ち上げるにあたって直面した課題や具体的なマネジメント方法について、活発な意見交換がなされました。
 地域産品ブランディングは、その目的は同じでも、方法は決してひとつではありません。解は複数あります。その製品特性や地域の状況に応じて適切なブランディング方法を採用すること。その重要性を今回改めて感じることができました。また、GI制度の施行により、国内製品の海外での保護が可能となるとともに、海外製品の国内での保護も求められるため、国内でも、海外の地名等を冠したNBブランド等がGI制度に抵触しないか注意する必要があります。いずれにしろ、GI制度の施行により、地域ブランディングが今後どのような進展を見せるか楽しみだといえましょう。
 

GIマーク
GIマーク
ii-jnya FOODブランドの一例
ii-jnya FOODブランドの一例(報告者撮影)
 
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