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研究報告会レポート

第1回カスタマー・エンゲージメント研究報告会レポート「カスタマー・エンゲージメントの研究潮流と実務への適用可能性」

第1回カスタマー・エンゲージメント研究報告会 > 研究会の詳細はこちら

テーマ:「カスタマー・エンゲージメントの研究潮流と実務への適用可能性」
報告者:明治大学 商学部 教授 井上 崇通 氏
    高千穂大学 商学部 教授 庄司 真人 氏
    茨城キリスト教大学 経営学部 准教授 田口 尚史 氏
日 程: 2018年7月21日(土) 14:00-17:00
場 所:明治大学 駿河台キャンパス 研究棟2階 第9会議室

 

【報告会レポート】
 第1回報告会は、カスタマー・エンゲージメント概念の基本的な理解を目的として、企画運営メンバー3人による研究潮流の報告と、それに基づく実務への適用可能性についてディスカッションを行ないました。最初に,明治大学の井上崇通先生より「企業と顧客の価値共創:サービス・ドミナント(S-D)ロジックとカスタマー・エンゲージメント」というタイトルの報告がありました。井上先生からは,S-Dロジックがカスタマー・エンゲージメント概念を開発するための理論的基盤として認識されていることが紹介されました。カスタマー・エンゲージメント概念は,マクロ・レベルのメタ理論としてのS-Dロジックとミクロ・レベルとしての交換理論を橋渡しする中範囲理論としての役割が期待されているとのことでした。
 次に,高千穂大学の庄司真人先生より「カスタマー・エンゲージメントと関連研究との接点」というタイトルの報告がありました。庄司先生からは,カスタマー・エンゲージメント概念と価値共創概念との接点に関する考察が報告されました。取引の範囲を超えた領域での企業と顧客との価値共創とカスタマー・エンゲージメントの概念上の関係について興味深い洞察が示されました。
 最後に,茨城キリスト教大学の田口尚史先生より「カスタマー・エンゲージメントの研究潮流」というタイトルの報告がありました。カスタマー・エンゲージメント研究は,顧客管理ベースの研究ラインとS-Dロジック・ベースの研究ラインの2つの潮流があることが報告されました。そして,それら2つの研究潮流の特徴を対比させ,将来の研究の方向性が示されました。
 

写真左から,報告者の井上先生と庄司先生
 

会場の様子
 
【報告会を終えて】
 今回が初めての報告会でした。初回ということもあり,会員の間でカスタマー・エンゲージメントに対してどの程度の関心があるのか手探りの状況でしたので,参加者定員を30名に設定しました。ところが,開催の告知をしてから1週間で定員に達してしまいました。また,3名の報告後の質疑応答ではフロアの参加者からの様々な多くの質問があり,会員の皆さんの関心の高さを感じました。今回の報告会は,企画運営メンバーによる理論的な研究報告でしたが,参加者の多くが実務家の方々でしたので,今後は実践的な報告や実際にエンゲージメント・マーケティングに取り組んでいる企業の方を講演者としてお迎えできればと考えております。
 次の第2回報告会は,詳細はまだ公表できませんが,カスタマー・エンゲージメントのソート・リーダーを招いての講演会を企画中です。日程等の詳細が確定しましたら学会ホームページを通じてご案内いたします。今後ともよろしくお願いいたします。
 
(プロジェクトリーダー:井上 崇通)

 
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