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研究報告会レポート

第5回AI研究報告会レポート「AAAI(米国人工知能学会)での議論と在外研究で感じたこと」

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テーマ:「AAAI(米国人工知能学会)での議論と在外研究で感じたこと」
報告者:依田 祐一 氏(立命館大学経営学部・准教授、スタンフォード大学・客員研究員)
日 程:2019年3月30日(土)15:45-17:00
場 所:立命館大学 東京キャンパス

 

【報告会レポート】
 第5回AI研究会では、AAAI (Association for Advancement of Artificial Intelligence: 通称 米国人工知能学会)における報告内容として、これまで同研究会で検討を深めてきた内容についてまとめた、依田祐一・水越康介・本條晴一郎の共著論文(査読付プロシーディングス)” A Study of Basis on AI-based Information Systems: The Case of Shogi AI System “Ponanza””について報告された。同研究は、これまでのGoogle広告エンジンやAmazonレコメンデーションといったAIの示す結果に係る「根拠」に関する問題意識(依田・水越・本條、2016)から、「原因(Cause)」と「理由(Reason)」の哲学上の意味の違い等に着目し、AIの示す「結果」を通じた学習、AIと人間の知識の創造、ひいては協働の方法について、探索的に検討したものである。
 本研究では、将棋AIが、静的な環境下であるももの一定の複雑さを有し、企業におけるAIマーケティングと人との関係についての一部を先取りしている可能性があることから、AIベースの将棋システムである「ポナンザ(以下、Ponanza」」の事例分析が行われた。ポナンザがプロ棋士にも勝利するようになる過程において、ポナンザは一兆程度の局面データをもとに一億項目を超える膨大な値(パラメータ)を調整して評価値として示し、開発者にとっても黒魔術化したこととともに、その指し手(結果)が棋士らに解釈される対象となっていったことが事例で示される。
 考察として、AIを自然現象として捉える、または人間の能力拡張としてAIを捉える、といった見方の違いにより、AIとのインタラクションを通じた新たな知識を創造するプロセスの違いの可能性が示された。
 また、報告者の在外研究(2019.4-2019.3)におけるAI研究の所感として、CausationやInterpretability, Data biasやEthicsといったAIの特質に依る根源的な研究問題がより注目されている等の報告があった。
 最後に、本研究会では、多様なバックグラウンドを持つ方が参加された。また今回の研究会に際し、2名の方が新たに学会加入して参加してくださった。AIは、多分に学際的な領域であることから、多様な実践者・研究者の交流によって検討を深めていくことが期待される。
 
(文責:依田 祐一)

 
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