リサーチプロジェクト
研究報告会レポート

第8回フードビジネス・イノベーション研究報告会レポート「外食産業の人材育成戦略」

第8回 フードビジネス・イノベーション研究報告会 > 研究会の詳細はこちら
シンポジウム:外国人就労者のキャリア形成支援
-外食産業の国際化を担う人材育成を考える-
 
講演:「外食産業における新たな外国人材の受け入れについて」
   長川 康一 氏(農林水産省 食料産業局 外食産業室 課長補佐)
講演:「企業戦略と外国人材のキャリア育成」
   菊地 唯夫 氏(ロイヤルホールディングス株式会社 代表取締役会長)
パネルディスカッション:「外食産業の国際化を担う人材育成を考える」
パネリスト:菊地 唯夫 氏(同上)
      新藤 光明 氏(農林水産省 食料産業局 外食産業室 室長)
      萩原 大作 氏(エール学園 校長)
      尾藤 環 氏(辻調理師専門学校 産学連携教育推進室 室長)
ファシリテータ:小林 哲 氏(大阪市立大学 経営学研究科 教授)
 
日 程:3月28日(木)16:00-18:00
会 場:エコール辻 大阪 カレッジホール
共 催:辻調理師専門学校

 

【報告会レポート】
 2019年3月28日、辻調理師専門学校と共催で、第8回研究報告会を大阪にて開催しました。今回のテーマは、「外食産業の人材育成戦略」です。
 
 現在、外食産業をはじめ日本の多くの企業が人材不足に直面しています。そして、この状況を少しでも改善しようと、2019年度から外国人の受け入れに関する新たな在留資格「特定技能ビザ」が創設されます。特定技能ビザは、14の特定産業分野に限って、その分野に属するのに必要な知識や経験を有する外国人の在留を認めるビザです。技能水準は、従来の高度な専門職に対する在留資格よりは低く、日本での技能習得を目的とする技能実習よりも高い位置にあります。
 
 外食産業は、この在留資格の特定産業分野のひとつに選ばれています。しかしながら、外食産業はこれまで技能実習生を受け入れた経験がありません。そこで、この新たな外国人受け入れ制度を理解するとともに、これをきっかけに外食産業における外国人材の育成について議論できればと思い、本研究報告会を企画しました。
 
 研究報告会では、まず、農林水産省の長川課長補佐から、外食産業を中心に、新たな外国人受け入れ制度に関して、その概要を説明いただきました。また、ロイヤルホールディングス株式会社の菊地会長に、外国人材をどのように育成し活用すべきかに関して、受け入れ側の企業の立場からお話しいただきました。その後、農林水産省の新藤室長、外国人の大学進学や就職のサポートをしているエール学園の萩原校長、本リサーチプロジェクトの企画メンバーで辻調理師専門学校の尾藤室長が加わり、菊地会長を交えて、パネルディスカッションを行いました。
 
 パネルディスカッションでは、①特定技能ビザ等の外国人受け入れ制度は、あくまで在留資格に関するものであり、外国人材をどう活用するかは、各産業が独自に設定する技能測定試験や受け入れ体制に委ねられていること、②特定技能ビザを有する者は、認定された特定産業分野での移動が自由であり、産業内で優秀な外国人材の獲得を巡る企業間競争が発生する可能性があること、そして、その競争に勝ち抜くには、③外国人を日本人の補助的存在とみなすのではなく、インバウンド対応や海外進出の幹部候補など、彼らの能力を活かした人材育成戦略やプログラムが必要となることが議論されました。
 

写真左より、菊地会長の講演、パネルディスカッションの様子
 

研究報告会場の様子
 
【研究報告会を終えて】
 2025年に大阪で万博開催が決定したこともあり、外食関係者の外国人材受け入れに対する関心は高く、沢山の方に参加いただきました。また、年度末のお忙しい中、ご講演いただいた長川様、菊地様、そして、パネルディスカッションに参加いただいた新藤様、萩原様に改めて感謝申し上げます。お陰様で非常に有意義な研究報告会になりました。
 
 なお、フードサービス・イノベーション研究会では、一緒に研究会を盛り上げてくれる仲間を募集しております。研究会で取り上げて欲しいテーマや報告したい内容、呼んでほしいゲスト等ありましたら、気軽に小林(kobayashi@bus.osaka-cu.ac.jp)までご連絡ください。よろしくお願いいたします。
 
(プロジェクトリーダー:小林 哲)

 
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