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研究報告会レポート

第1回ヘルスケアビジネス研究報告会レポート「外国人も含めた医療受療行動の変化:ヘルスケアビジネスのチャンスを探る」

第1回 ヘルスケアビジネス研究報告会 > 研究会の詳細はこちら
テーマ:外国人も含めた医療受療行動の変化:ヘルスケアビジネスのチャンスを探る
日 程 :2019年5月19日(日)13:00-17:00
場 所 :中央大学ビジネススクール(後楽園キャンパス3号館)11階 31100教室
 

【報告会レポート】
 本年度、新たに発足した当研究会は、真野俊樹先生をリーダーに日本のヘルスケアビジネスの方向性を探求する研究会である。第1回となる今回の研究報告会では、日本医療経営実践協会の後援のもと、41名の参加者が集いヘルスケアビジネスの注目度の高さを感じられた報告会となった。
 
講演1『日本での外国人患者受け入れの状況とマーケティング視点からの考察:新刊の案内もかねて』

中央大学大学院 戦略経営研究科 教授 真野 俊樹 氏

 第1回ヘルスケアビジネス研究報告会の開催に際して、冒頭では日本のヘルスケア全体像について制度的な側面と産業としてのヘルスケアについて概観を紹介頂いた。日本の皆保険制度は世界的にも優れたセーフティーネットとして機能しているが、予防医療や医療ツーリズムなど新たなビジネスとしての可能性が伺える。訪日外国人の増加は、外国人の医療ニーズの増大と共に医療ツーリズムという新たなビジネスの可能性を生んだが、現状の日本の医療機関の外国人の受け入れ体制は十分とは言えない。真野氏の著書や海外視察での写真などを用いて、日本の医療機関が抱える問題や解決すべき課題を分かりやすく解説頂いた。
 
講演2『ドクターショッピング行動に関する患者インサイトを探る』

中央大学大学院 博士後期課程(戦略経営研究科)杉本 ゆかり 氏

 杉本氏は、医療現場で生じているドクターショッピングという問題点に注目し、患者が継続受診できない要因について研究成果を報告頂いた。ドクターショッピングが生じる社会的背景として、無床診療所の増加による競争の激化や皆保険制度による低い自己負担、フリーアクセスなども、ドクターショッピングに拍車をかけている現状を紹介頂いた上で、先行研究、研究意義、研究結果など解説頂く。継続受診に導く重要な要素として、身近な人の評判、医師との良好な関係を挙げると共に、患者ニーズや患者タイプを意識した情報提供のための患者インサイトを探ることの重要性について解説頂く。
 
講演3『Amazonの成長と小売&メーカーのマーケティング対応』

中央大学大学院 戦略経営研究科 教授 中村 博 氏

 中村氏は、ネット通販、マーケットプレイス、会員制サービス、AWS(クラウドビジネス)で急成長のAmazonの成長要因について解説頂く。更に、Amazonの台頭に対する小売業の活動やマーケティングへの影響、成長戦略について事例を交えて解説頂く。デジタライゼーションの潮流は、ヘルスケアビジネスについてもキャッシュレス化、スマホ決済、お薬手帳の電子化、医療機関のPRに重要な口コミなど、その影響は大きく医療機関として考えるべき重要な要素である。
 
ディスカッション

真野氏、杉本氏、中村氏、田中氏、香川氏

 ディスカッションでは、本日の講演内容を踏まえて演者、参加者を交えてヘルスケアビジネスについて議論が交わされた。今後のヘルスケアサービスを検討する際に、外国人を含めた国際的な視点や情報の非対称性、新たな技術としてのAIなど、多様な質疑が交わされた。ヘルスケアビジネスは多くの産業が参入できるチャンスがある反面、検討すべき多くの課題があることが改めて認識することができた。最後に真野氏より、本日まとめとしてヘルスケアビジネスについて国民の健康意識を前提としつつ、個々の国民に対するアプローチを可能とするデジタライゼーションの可能性が述べられた。
 
Closing Remarks

中央大学大学院 戦略経営研究科 教授 日本マーケティング学会 副会長 田中 洋 氏

 田中氏から、拡大が期待されるヘルスケアビジネスに関心を持たれている参加者の皆さんへ、日本マーケティング学会の医療マーケティング研究会、ヘルスケアビジネス研究会の紹介と共に研究会への参加をお願いし閉会の挨拶とする。
 

 
【報告会を終えて】
 本日の研究報告会で取り上げた題材から、ヘルスケアビジネスについて新たな気付きを得る機会となった。本日討議した医療ツーリズム、ドクターショッピング、小売業の成長戦略について、今後のヘルスケアビジネスのあるべき姿を捉える良い事例となると思われる。次回の研究報告会でも、様々な事例を取り上げ、日本が目指すヘルスケアビジネスの方向性を探るための議論の場としたい。本研究会では、引き続きヘルスケアビジネスについて、新たな知見の共有や討議を通じて、日本のヘルスケアビジネス推進に寄与したいと考えております。ヘルスケアビジネスに興味を持つ多くの方々の参加をお待ちしております。
 
(文責:佐藤 幸夫)

 
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