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研究報告会レポート

第19回地域活性化マーケティング研究報告会レポート「伊予西条の地域資源を生かして地域価値を高める-石鎚酒造の取り組み」

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テーマ:「伊予西条の地域資源を生かして地域価値を高める-石鎚酒造の取り組み」
報告者:石鎚酒造 専務取締役 越智 浩 氏
    青山学院大学総合研究所 客員研究員 佐伯 悠 氏
日 程:2020年1月21日(火)19:00-20:50
場 所: 青山学院大学 青山キャンパス 17号館8階 大学院国際マネジメント研究科「青山ビジネススクール(ABS)」17803教室
 
【報告会レポート】
 今回の研究報告会は、東京の会場:青山学院大学大学院国際マネジメント研究科(青山ビジネススクール:ABS)の教室と、愛媛県西条市の会場:ABS伊予西条サテライトオフィス(西条産業情報支援センター)を遠隔授業システムで結び、報告者には伊予西条からプレゼンしていただき、研究会参加者は東京・青学教室から画面を通じて視聴し、ディスカッションする形で進めました。
 まず青山学院大学総合研究所客員研究員 佐伯 悠氏から、日本酒市場が長期的に市場縮小する中で、特定名称酒を製造する地域有力酒造メーカーが健闘していること、海外への日本酒の輸出は急速に伸び成長市場を形成していることが報告されました。また愛媛県西条市の概要と地域資源の豊かさ(特に水や農作物など)の説明がありました。
 次に、愛媛県西条市の老舗酒造メーカーの「石鎚酒造」越智専務から、西条の地域資源の水や米の活用や、従来の杜氏・蔵人による酒造りから蔵元中心の酒造りへの転換、それにより製造・流通・販売まで一気通貫のビジネスとなり顧客との接点が増え、生産技術志向から顧客志向への変化、航空会社国際線ファーストクラス提供酒としての採用を機とするマーケティングなどの取り組み事例が報告されました。
 今回の一連の報告により、高付加価値化を志す中小企業が、その目標をどのようにして実現させていくかという課題に対し、酒造業の枠を越え議論する機会となったと思われます。 
 東京会場には様々な所属の学会員が参加し盛会でしたが、西条市出身の方も参加され、遠隔授業システム画面を通じて報告者と親しく会話する場面もあり、東京と伊予西条との交流も含め大変充実した研究会となりました。
 
【報告会を終えて】
 今回の研究報告会は、研究会としては初めて遠隔授業システムを活用した開催でした。西条会場をご提供いただいた西条市・西条産業情報支援センターの皆さま、システムを使用しシステムサポートしていただいた青山学院大学大学院国際マネジメント研究科(青山ビジネススクール:ABS)の皆様の様々なご協力ご支援に厚く感謝申し上げます。
 石鎚酒造の事例は、伝統的で保守的な地場産業において、若い事業継承の経営者が新しい取り組みに挑戦し、現在ではそれが主流になるまでに業界を変革してきたという貴重な事例です。しかもその活動は地域活性化マーケティングそのものの展開事例であり、多くの示唆がありました。また西条市には、石鎚酒造をはじめ酒造メーカー:酒蔵が現在5社存在しますが、1つの市内にこれほど企業が存在する日本酒産地は数少ないといえますし、愛媛県は県としても酒造メーカーが多く顕在であり、そういう観点での地域ブランドマーケティングにも今後注目していきたいと思います。
 今回、遠隔授業システムの活用で、地方と東京で距離を超えて研究報告やディスカッションがスムーズに行えることが実証できました。様々な地域を研究する当研究会として、その実施方法が新たにぐっと広がり、今後の可能性をとても強く感じました。
 
(プロジェクトリーダー:宮副 謙司)
 

写真左より、ABS遠隔授業システムを活用した会場の全体風景、研究報告者の越智 浩氏
 

写真左より、佐伯 悠氏の報告(1)西条市の地域資源について、佐伯 悠氏の報告(2)日本酒市場について
 

会場の青山学院大学大学院国際マネジメント研究科(ABS)

 
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