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研究報告会レポート

第3回物語マーケティング研究報告会レポート「赤城乳業の物語マーケティング 〜ガリガリ君、かく語りき。ロングセラーブランドの鮮度〜」

第3回 物語マーケティング研究報告会 > 研究会の詳細はこちら
テーマ:赤城乳業の物語マーケティング 〜ガリガリ君、かく語りき。ロングセラーブランドの鮮度〜
ゲスト:萩原 史雄 氏(赤城乳業株式会社 執行役員 開発本部 本部長代行)

日 程:2020年1月23日(木)18:30-20:00
場 所:一橋大学 経営管理研究科 千代田キャンパス 大講義室

 

【報告会レポート】
 物語マーケティング研究は、従来は企業が持っているシンボリックな物語を発信し顧客を動かす、という事に焦点がありました。つまり語り手と受け手を、固定的なものとして捉える傾向がありました。しかし研究会では、顧客による「語り」(ナラティブ)を含めた視座を提唱。語り手と受け手が物語を語り合う相互活動に注目し、その理論化を目指してきました。
 今回ゲストにお迎えした、赤城乳業株式会社 執行役員 開発本部 本部長代行 萩原 史雄氏は、赤城乳業にて営業の現場から営業統括部(マーケティング担当)設立、ガリガリ君プロダクション設立を経て、マーケティング部を設立。ガリガリ君という商品・キャラクターを通し、正に数多くの顧客による「語り」を生み出すことをマーケティングの根幹に置いて活躍されてきた方です。
 今回の報告会では、その事例を講演としてお伺いし、顧客による「語り」(ナラティブ)を含めた視点からその取り組みについて考察することを目指しました。
 当日は定員いっぱいの申し込みを頂き、多くの皆さんが参加されました。
 

会場の様子、定員いっぱいの申し込みを頂きました。
 
 最初に研究会メンバーの博報堂・牧口さんから、解題を行いました。ガリガリ君や多くの消費財では、ターゲットをリピート顧客だけにフォーカスするだけでは事業成果は難しいことを指摘。物語マーケティングはそのような中で、既存顧客の語りを活かして新規顧客にリーチし、想起率を高めていく取り組みではないかという視座を示しました。
 続いて、萩原氏から赤城乳業がいかにしてガリガリ君という語り部を育て、いかにして顧客の語りを引き出しているかについて、事例を通して紹介頂きました。「コンポタ味」など商品自体を話題化させたり、細かな地域イベントと連携したり、果てはサッカー日本代表チームとタイアップしたり。赤城乳業の企業メッセージは「あそびましょ」。活動の中に「しょーもないコネタ」(萩原氏)をいかに仕掛けていくか。顧客と一緒にあそぼう楽しもうという一貫した姿勢、「メーカーと生活者は対等な関係であり、話題は一緒につくるもの」という姿勢が、ガリガリ君の鮮度を保ち高めていることをお話しくださいました。
 

萩原様によるご講演
 
 続いての質疑の時間では、会場からはこれだけの「コネタ」をどうやって継続的に生み出し続けているのかなどの質問がありました。さらに研究会メンバーである松井先生(一橋大学)・増田先生(千葉商科大学)・津村先生(中京大学)から、物語構造への意識や、「ガリガリ君」や「ガリ子ちゃん」や「ガリガリ部」といった独自の分かり易すぎるネーミング流儀、またガリガリ君と地域貢献やラーメンなど一見異次元なものを組み合わせる「言葉」による発想法について質問が出されました。
 萩原様からのとんでもない量の事例と丁寧なご説明、さらに会場と先生方からの質疑により、物語マーケティングの実践における多くの学びがありました。
 最後に萩原さんが発想法について、こう語られました。「赤城乳業は、全員が小学生の頃の気持ちを持ち続けている会社。しょーもない思い入れをどんどん吐き出せるから、『しょーもないイノベーション』が生み出せたのかなと思います」。語りを生み出し続けるためには、やはり語り手としての企業風土も大きく関わっていることを強く感じる報告会となりました。
 
(文責:メンバー代表 岩井 琢磨)

 
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