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研究報告会レポート

第20回地域活性化マーケティング研究報告会レポート「飲食店舗を地域メディアと位置付けた「るるぶキッチン」の取り組み」

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テーマ:「飲食店舗を地域メディアと位置付けた「るるぶキッチン」の取り組み」
報告者:株式会社JTBパブリッシング 営業企画本部営業企画部 事業開発マネージャー(るるぶキッチン統括) 青木 洋高 氏
日 程:2020年2月21日(金)19:00-21:00
場 所: editor’s fav「るるぶキッチンASAKUSAエキミセ」
 
【報告会レポート】
 今回は、当研究会の企画運営メンバーでのひとりである青木洋高氏からの研究報告でした。青木氏は、JTBパブリッシングにおいて、これまで旅行情報誌「るるぶ」などの編集・発行に携わり、2017年から「editor’s fav 『るるぶキッチン』」という飲食店舗を新規事業として立ち上げ運営しています。
 この店舗は、店舗そのものをメディアの一つとして位置付けています。「るるぶ」の編集者が全国各地から見つけた食材を集めるだけではなく、雑誌では当たり前の「特集企画」を設け、1カ月おきに特定の地域やテーマにフォーカスしたメニューを開発し提供しています。その実現にはその企画ごとに地域行政等と連携しながら、仕入れルートを開拓し、「るるぶ」らしいメニューブックを作成し、スタッフが地域のプロモーターになるなど、これまでの飲食店舗では非効率・高コストとして敬遠されるようなことにあえて取り組み、それを成立させたビジネスモデルであることが報告されました。
 さらに最近は、都内を中心に直営店舗のほか、新たにプライベートブランドとして「りんごジュース」を商品化したり、新宿のBEAMS JAPANのなかに、淡路島・洲本市のアンテナショップ「SUMOTO STAND byるるぶキッチン」を運営したり、食に関連した新たな事業へ展開が広がっていることも紹介されました。
 研究会の後半は、参加メンバー全員で地域のメニューを実際に食し、その食材や地域のストーリーをじっくり聞き、相互にディスカッションをしながら理解を深めました。

 
【報告会を終えて】
 地域活性化マーケティングの本質は、地域価値の着眼と編集による地域価値の創造、その地域価値の伝達と提供ですが、この「るるぶキッチン」の取り組みは、まさに雑誌編集者の着眼力と編集力が存分に発揮されたものといえます。しかも地域情報+物産+飲食提供がセットされ(いわば価値伝達と価値提供がセットされ)、しかもそれが1か月ほどで次々と切り替え実現されており、強力な地域活性化マーケティングの仕組みと評価できます。
 また飲食店のビジネスモデル視点では、従来のように材料仕入れ・料理提供という飲食店収益モデル以外に、ここでは雑誌メディアで一般的な広告収入・販促収入モデルが導入されています。そしてその複合的な収益モデルの成立がここで実証されていることは、飲食ビジネス以外でも、例えば小売店舗でもその立地や空間性を踏まえ情報編集・発信能力を構築できれば、物販収益以外の複数の収益モデルを獲得できる可能性を示すもので、その観点でも大変参考になりました。
 今回の報告者の青木氏は、本業に加え大学での観光マーケティングの授業や地域観光・物産のコンサルティングまで手掛けておられますが、一貫して顧客(読者)に地域の何をどうように伝え提供するとよいかという編集者のスタンスで常々行動されていると伺われました。そして何よりも青木氏の地域への思いの熱さが、この「るるぶキッチン」というビジネスの場で実現されていることがひしひしと伝わり感銘をうけました。
 
(プロジェクトリーダー:宮副 謙司)
 

写真左より、会場の全体風景、研究報告者の青木洋高氏
 

写真左より、当日の配布資料、参加メンバーによるディスカッション風景
 

editor’s fav「るるぶキッチンASAKUSAエキミセ」の外観

 
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