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研究報告会レポート

第7回サービス・マネジメント研究報告会レポート マーケティングカンファレンス2020ベストオーラルペーパー賞記念「リサプロ・クライマックスシリーズ」

#いまマーケティングができること

第7回 サービス・マネジメント研究報告会(オンライン) > 研究会の詳細はこちら
テーマ:マーケティングカンファレンス2020ベストオーラルペーパー賞記念「リサプロ・クライマックスシリーズ」
報告:田中 江里華 氏(早稲田大学大学院 経営管理研究科 修士課程修了)
日 程:2020年11月30日(月)18:30-20:30
場 所:ZOOMによるオンライン開催
 

【報告会レポート】

  1. ベストオーラルペーパープレゼンテーション、質疑応答
  2. リサプロ クライマックスシリーズ

田中江里華氏
田中江里華氏
 
 チームのブランド、チーム愛、チーム文化の各テーマについて、参加者と自由に議論し、今後の研究に向けたフィードバックをもらいました。
下記は得られた示唆です。
 
 ホーム球場の立地条件がチーム愛の醸成に影響を与えているのではないか。広島のマツダスタジアムは広島駅から徒歩10分の場所にある。広島駅は新幹線と在来線と路面電車のハブ駅であるので、多くの人が集まる場所にあり、観戦後の熱量が、そこにいる人達だけでなく、周りにも波及していく。ファン同士の団結力が強く、それがチームを支えている。
 一方で、大阪は新幹線と在来線の駅が離れており、人が相対的に集まる環境が整っていないし、甲子園スタジアムも離れた場所にある。そのため、観戦後の熱量が分散してしまうのではないだろうか。
 このことから、チームが所属する街の環境と、スタジアムの立地条件がファンの応援環境にも影響を与えている可能性がある。他にも、日ハムのボールパークは、北海道民全員のプロスポーツとして、地域に密着している感じがあるという意見もあった。
 
 チームによる球団とファンの関係性の違いが浮き彫りになった。広島カープの選手は、街にいるような、身近な存在だったという意見があった一方で、巨人のファンは、選手や監督はスターで、憧れの、ある意味遠い存在であるという意見もあった。長嶋監督は神様であり、松井秀喜や原監督もスター。王道の野球を見せて欲しいというファンの思いを知ることができた。巨人ファンはチームや選手にポジティブ投影をしている(憧れ)という意見も出た。
 

 
 「同一感」がどのような同一感なのかが、ファンコミュニティによって異なるのではないか。

  • 阪神ファンは、冷酷(やじを超越、ブーイングを)な一面がある。
  • 巨人ファンは、スターが勝つべくして勝つということに熱狂するが、普段はクールに応援している。普段はファン同士の同一感は無い
  • カープファンは、勝敗に関係なくロイヤルティが高いし応援する=阪神の、「身内に厳しい」を超えた絆、同一感がある。カープファンは広島という土地と重ね合わせてチームを応援している。子供の頃から広島の子どもは原爆被災後復興してきたという歴史教育を受けてきた。その困難を乗り越えてきたというマインドと共に地元チームを応援しているのではないか。

 
 共同体感覚の違いを知ることは、ファンのコミュニティデザイン、コミュニティガバナンスをコントロールする上で重要であると言える。顧客の声を聞いて、客が求めるものを知ることだけでなく、ファンコミュニティの特性を理解することが、長年応援してくれるファンを作ることに寄与するのではないか。今回、メーカー勤務で、ロイヤルティの高いファンを作るにはどうしたらいいのかという課題意識を持って参加していただいた方もいたが、このことはスポーツビジネスを超えた分野に応用できる示唆であると考える。オンライン時代に、地域と同じような繋がりをどう醸成していくか?は今後の課題であるという意見も出た。この報告会でのフィードバックをもとに、今後さらなる研究活動を続けていきたいと考える。

 
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