リサーチプロジェクト
研究報告会レポート

第2回アート・イン・ビジネス研究報告会レポート「アートによる地域活性マーケティング」

#いまマーケティングができること

第2回アート・イン・ビジネス研究報告会(オンライン) > 研究会の詳細はこちら
テーマ:アートによる地域活性マーケティング
報告者:岩崎 達也 氏(関東学院大学 教授)
    森下 矢須之 氏(BIZEN中南米美術館 館長)
ファシリテーター:大西 浩志(東京理科大学)、野澤 智行 氏(法政大学経営大学院)
日 程 :2021年3月23日(火)18:00-19:45
場 所:Zoomによるオンライン開催
 
【報告会レポート】
 第2回アート・イン・ビジネス研究報告会をオンラインで開催し、35名ほどにご参加いただきました。本研究会は、これまでアート・マネジメントやアート・マーケティングといった領域で蓄積されてきた知見と実際のビジネスとの懸け橋となる研究を目的としており、今回の報告会では、アートが実際のビジネスにどのように活用されているのか、アートによる地域活性マーケティングをテーマに、アニメ聖地巡礼の研究報告と地方私立美術館のマーケティング実例をご紹介いただき、最後に参加者によるディスカッションを行いました。
 
岩崎氏の報告の様子
岩崎氏の報告の様子
 
 最初に、関東学院大学の岩崎教授からの研究報告では、近年話題にもなっているアニメ聖地巡礼者は、全旅行者の10~12パーセントの割合を占め、その地域への愛着や地域住民との交流を通してリピート率も高く、その地に移住する場合もあることが独自調査の結果として紹介されました。さらに、消費者側の旅行の動機についてテキスト分析やランダム・フォレスト分析などの定量的な分析結果もご報告いただきました。実務的な課題についてもディスカッションを行い、コンテンツ提供側(作家、出版社、制作会社、スポンサー企業)と地域の間で権利関係や実施内容について適切にバランスをとることがリピートにつながるという意見が交わされました。
 
森下氏の報告の様子
森下氏の報告の様子
 
 次に、岡山県備前市の私立美術館「BIZEN中南米美術館」の森下館長より、地方の小規模美術館として来館者やサポーターを増やすために、展示内容の工夫はもちろんのこと、キャラクター「ペッカリー」を使ったSNS拡散など、これまで実践してきた取り組みやマーケティング施策を事例としてご紹介いただきました。さらに、コロナ禍による来館者・収入源に対して、会員組織化や古代マヤ文字をリターンにしたドネーションなど、現在進行形のユニークで具体的な取り組みもご報告いただきました。
 
 最後に、報告者と参加者でディスカッションを行いました。地方活性化にとっては、コロナ禍の影響は非常に大きく、マーケティング学会会員の方々にも問題意識を共有していただく機会になったと思います。
 
 登壇者の皆様、参加者の皆様ありがとうございました。
 
(報告書作成:プロジェクトリーダー 大西 浩志)

 
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