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研究報告会レポート

第3回マーケティング/PRテクノロジー研究報告会レポート「バーチャルオフィスサービスを活用した広報業務の将来性:富士ソフトFAMofficeを例に挙げたオンライン記者会見事例をもとに」

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第3回マーケティング/PR テクノロジー研究報告会(オンライン) > 研究会の詳細はこちら

テーマ:バーチャルオフィスサービスを活用した広報業務の将来性
富士ソフトFAMofficeを例に挙げたオンライン記者会見事例をもとに

講演者:永瀬 佳代子 氏(富士ソフト株式会社 プロダクト事業本部 moreNOTE事業部 事業部長)
    西元 典子 氏(富士ソフト株式会社 コーポレートコミュニケーション部 広報室 主任 / マスター、PRプランナー)
司会:山中 理惠 氏(Rokt)
モデレーター:加藤 恭子 氏 (ビーコミ 代表取締役)

日 程:2021年7月29日(木)19:00-20:30
場 所:Zoom使用によるオンライン開催

 

【報告会レポート】
 今回の報告会では、以下2パートにて構成された。
・PRテクノロジーを提供している3社からのセッション
・PR業務デジタル化に関するディスカッション
 

第1部:ご講演「富士ソフトのバーチャルオフィス「FAMoffice」を活用したオンライン記者会見」
 永瀬 佳代子 氏(富士ソフト株式会社 プロダクト事業本部 moreNOTE事業部 事業部長)
 西元 典子 氏(富士ソフト株式会社 コーポレートコミュニケーション部 広報室 主任 / マスター、PRプランナー)

【FAMofficeとは?】

 
 テレワークが広がってきて、社内コミュニケーションに課題を持つ企業が増えてきた中で、ニューノーマル時代に向けて富士ソフトが開発した気軽なコミュニケーションを可能とする仮想オフィス空間。
 仮想オフィス空間にアバターが出現、オフィスに出社しているかのようなちょっとした雑談や声かけが気軽にでき、一緒に働いている一体感をバーチャル上で再現している。
 FAMofficeの開発~社内トライアル、そして製品版利用開始に向けた広報・PR活動を時系列でご紹介いただいた上で、実際に記者会見でバーチャルオフィスサービスを活用するまでを簡潔にご講演いただいた。リアルタイムのスライド共有は同社のmoreNOTEを活用したとのことで、この研究会でも実際にmoreNOTEでスライドの共有が行われた。
 時系列でご紹介いただいたため、製品の動きや広報活動におけるメディアへのアプローチ及びメディアの反応も、時を経るごとに変化していることがわかった。
 
【FAMofficeの記者会見利用における利点】

 
・オンライン記者会見ではなかなかできない「ぶら下がり取材」を可能とした
→ 独自視点を加えたい記者にとって、特定の人に深い質問をしたいという一定のニーズがある。そのニーズにオンライン記者会見では対応できないケースが多い。今回のサービスでは、アバターをくっつけるだけで担当者と記者1対1でコミュニケーションをとることができ、オンライン記者会見で課題となっている点を解決できていると感じる。
メディアの反応も上々。また多くの方の前で話すよりこの話題はこの記者と話したいという発表者のニーズにも対応できる。スムーズに会話を楽しんでいた方が多く、記者からも「コミュニケーションが取れる記者会見」と感謝された。
 
・記者同士のコミュニケーションができた
→ つぶやき機能を活用し、会見中に記者同の士コミュニケーションができて会場が盛り上がった。
 

第2部 ディスカッション(質疑応答:一部)
モデレーター:加藤恭子(ビーコミ代表取締役)

・トライアルは可能か?
→ 無料トライアルあり
 
・バーチャルオフィスは他社でもいくつか提供されているが重たい。FAMofficeはどうか?
→ FAMofficeは常に起動してもらう必要があるため「いかに軽く動作するか」を念頭に置いて開発している。一体感・操作性を重視し、アバターは簡易的に。会話できる相手の顔を見ることができ、アバターの顔部分に動画を表示する。
 
・ポジティブな意見は多く拝見したが、ネガティブな意見は出ているか?
→ 記者発表におけるネガティブな意見はなかった。記者としては手に取って試したい「現物」のようなものを紹介する場の利用は少し難しいように思える。ユーザーとしての意見は「監視している感を感じる」という意見も出てはいた。利用を始めたころは監視のように感じた部分もあったが、使い続けていくと周囲のつぶやきが面白く、一体感を感じるようになっていった。
 
・FAMofficeを活用して他社も記者発表を行ったか?
→ 問い合わせはあるものの、まだ実現していない。
 
・記者会見で活用する際は名刺交換のニーズがありそう。機能拡張は予定しているか?
→ 現在開発中。名刺交換をどのようにすれば便利に使ってもらえるか今後の改良ではこの機能を取り入れる予定。
 

総括
 ここ数年で一気に広がりを見せたテレワーク。関連テクノロジーが多数開発される中、PRの観点でのテクノロジーはまだまだ製品化できていないことが多い。
 オンラインでの記者会見においては、今まで一斉配信でぶら下がりがなく、ちょっとした立ち話もオンラインでは実現が難しい中で、今回ご講演いただいたFAMofficeの事例はとても画期的だった。よりインタラクティブな利用を可能とするツールが生まれていくことで、どこにいても意味合いのあるオンライン記者会見の実現につながるのではないか。
 
(文責:高梨 杏奈)

 
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