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研究報告会レポート

第9回サービス・マネジメント研究報告会レポート「関西大学社会人学び直しプログラムにおける授業支援と学習支援を連動するハイブリット型授業の実践」

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テーマ:関西大学社会人学び直しプログラムにおける授業支援と学習支援を連動するハイブリット型授業の実践
報告者:柴 健次(関西大学大学院 会計研究科 教授)
    毛利 美穂(関西大学社会人学び直しプログラム プログラムアドバイザー)
日 程:2021年11月30日(火)18:30-20:30
場 所:Zoomによるオンライン開催
 

【報告会レポート】
 関西大学社会人学び直しプログラム「海外ビジネスマネジメント講座」(文部科学省・職業実践力育成プログラム認定履修証明プログラム)は、特定の学部および研究科を母体にしない、任意の組織として、いかに顧客=受講生のニーズに沿ったプログラムを構築できるか、その上でいかに顧客=受講生を集めることができるのか、という、社会人学び直しの価値創造モデルのためのパイロットテストとしての役割を担っています。
 受講生のニーズは、海外ビジネスマネジメントを学ぶとともに、社会人の学び直しにおいて重要な異業種交流にあり、学びの中での人的接触による価値を求めるものです。一方で、2019年度に開始した海外赴任者との中継授業や、出張や海外赴任における学びの継続という課題を抱える企業や受講生からの要望により、対面・オンライン併用のハイフレックス型授業を導入し、現在、COVID-19下におけるBCP(事業継続計画)の観点でも、環境・システムの構築を進めています。
 今回は、このハイフレックス型授業の実際を共有することで、持続可能な学びの在り方などを議論する機会としました。
 
 プログラムの特異点として、授業支援と学習支援の連動を挙げることができます。報告では、ハイフレックス型授業で、どのように授業支援と学習支援を連動させ、実践しているのか、チーフプログラムコーディネーター兼授業担当者である柴による事例報告と、授業・学習支援の連動を担うプログラムアドバイザーである毛利による事例分析を行いました。
 
 最初に、柴が、プログラムの概要と、反転授業型の学びのサイクル(事前学習コンテンツの視聴→事前課題提出→授業→事後課題提出→授業担当者からのフィードバック)の紹介、そしてハイフレックス型授業の実現を可能にした関西大学梅田キャンパスの設備等の受講環境と授業の実際について報告をしました。そこで課題となったのが、対面受講を主とし、オンライン受講を従としたハイフレックス型授業の受講状況が、緊急事態宣言の影響により逆転してしまった状況下で、授業運営と実際の学修効果に問題が生じたという点です。
 
 次に、毛利が、2021年度の受講状況と、プログラムの特異点でもある、教員に一切の負担をかけない授業支援と、多様な学習者の悩みに対応した学習支援の連動において実施してきたハイフレックス型授業のメリット/デメリットと、それを想定して実施した対策と今後の課題について報告をしました。事前の対策については一定の効果はありましたが、課題としては、対策のための支援業務が増加したことで、事業持続を可能にするためには、支援体制の見直しが必要になったことです。
 
 社会人学び直しプログラムは、授業におけるディスカッションやグループワークの比率が高いことが特徴です。そのため、オンライン受講のメリットは大きいものの、デメリットについても明確になりました。このことは、現在のハイフレックス型授業を実施している参加メンバーの皆さんとも共有できました。
 最後に、プログラムの価値創造のための人的接触が制限されてきた中での運営の実際についての報告を踏まえて、参加メンバーの皆さんも加わったコミュニケーション型セッションとなりました。受講生のオンラインに対する意識の変化からの「授業方法の工夫」や、プログラムを今後どのように発展させていくかについて、プログラムのブランディングにおいて強みを伸ばす形での「支援業務の取捨選択」が良いのではというコメントが寄せられました。そして、COVID-19によるさまざまな制限の中で、学び直しにおける人的接触による価値の創造において重要な「評価」の在り方については、今後も議論すべき問題であるということを確認することができました。
 
(コーディネート:関西学院大学ハンズオン・ラーニングセンター/ サービス・マネジメント研究会リーダー 向井 光太郎)

 
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