第13回ユーザー・イノベーション研究報告会レポート「レゴとユーザー・イノベーション ― ファンとの共創からヒット商品が生まれる理由とは ―」 |
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第13回ユーザー・イノベーション研究報告会(春のリサプロ祭り・オンライン) > 研究会の詳細はこちら
テーマ:レゴとユーザー・イノベーション ― ファンとの共創からヒット商品が生まれる理由とは ―
報告者:蛯谷 敏 氏(ビジネス・ノンフィクションライター / 編集者)
岡田 庄生 氏(博報堂 ブランド・イノベーションデザイン局 部長 / 法政大学大学院 博士後期課程)
西川 英彦 氏(法政大学 経営学部 教授)
日 程:2022年3月19日(土)14:45-16:15
場 所:Zoomによるオンライン開催
【研究報告】
ユーザー・イノベーション成功企業の代表的事例であるレゴ社(デンマーク)をテーマに、ファンとの共創からヒット商品を生み出すための方法や課題について議論を行なうことが今回の研究会の目的だった。
報告者として『レゴ ―競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方』(2021年11月発行、ダイヤモンド社)の著者である蛯谷敏氏をお招きし、同社が取り組んできた「マインドストーム」「LEGO CUUSOO(現LEGO IDEAS)」などの商品やサービスでユーザー・イノベーションをどのように活用してきたのか、その背景にどのような意思決定やマネジメントがあったのか、その実態を紹介いただいた。同社の事例から得た知見として、ユーザー・イノベーションの活用が成果を挙げるためには、「スケール化とインパクト(経営陣が関心を持つほどの業績をあげることの必要性)」「ヒットを継続する仕組み(ヒット一発で終わってはいけない)」「“自己否定”の克服(ユーザー任せにせず自社の役割を見出すこと)」といった点が重要である、という考えが示された。
報告後には、当研究会メンバーである西川氏・岡田氏や参加者も交えたディスカッション・質疑応答が行われ、他のユーザー・イノベーション事例とレゴ社の事例との相違点や、こうした事例をふまえて新たにユーザー・イノベーションに取り組む際の課題などについて、終了時間まで活発な議論が行われた。
(文責:清水 信年)