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研究報告会レポート

第10回サービス・マネジメント研究報告会レポート「ラーニング・プログラムにおける対称性評価モデル開発の可能性」

#いまマーケティングができること

第10回サービス・マネジメント研究報告会(春のリサプロ祭り・オンライン) > 研究会の詳細はこちら
 
テーマ:ラーニング・プログラムにおける対称性評価モデル開発の可能性
日 程:2022年3月19日(土)16:30-18:30
場 所:Zoomによるオンライン開催
 

【報告会レポート】
第1部 「対称性による学修評価の可能性」
向井 光太郎(関西学院大学 ハンズオン・ラーニングセンター 准教授)

 大学生を中心にした学修プログラムにおける評価手法の開発に向けた情報提起の機会として、人的接触を中心にした営業活動の価値授受モデルを適用した価値項目を体系化し、その価値を生み出す学修主体者間の人的接触のパターンを紹介しました。この人的接触は取引を伴わない無償のものであるから、互酬性を帯びたコミュニケーションであることを認識し、その前提としての対称性に着目したモデルの構築ができないか、これから研究を進めていくことになります。その中で、学修主体者間の成果や学びの内容やボリュームに違いがあること、また成果や学びのタイミングが多様に異なること、しかし共通した認識や実感を有することがあることなど、対称性にもいろいろなパターンが考えられることが議論されました。大学での学び(科目、それ以外のプログラムなど)は、キャンパスの外に出ること、インターンシップなどの中長期派遣など、多様化しており、さらには新型コロナウイルスなど有事による開講スタイルの可変性を求められることなど、環境はめまぐるしく変化し、評価手法にもこれらの機動性に対応したモデルが求められることから、今後もディスカッションや情報交換を進めながら、ラーニング・マネジメントの研究を進めてまいりたいと思います。
 

 
第2部 「オンライン型の学習プログラムにおける人的接触の評価について」
毛利 美穂(関西大学社会人学び直しプログラム プログラムアドバイザー)

 関西大学社会人学び直しプログラム「海外ビジネスマネジメント講座」(文部科学省・職業実践力育成プログラム認定履修証明プログラム)は、受講生のニーズである、異業種交流という人的接触に価値を置きつつ、出張や海外赴任中でも学びを継続したいという企業や受講生の要望に応えるため、2021年度より本格的にオンライン受講生の募集を行いました。報告では、2021年度の対面・オンライン併用授業におけるオンライン受講の実情をふまえ、受講生のニーズである人的接触の評価をどのように設定していくか、話題提供を行いました。
 
 プログラム開始時に実施しているアンケートに、不安要素に関する設問があります。設問は次の7つ、「1_学習内容についていけるか心配だ」「2_授業に欠席せずに参加できるか心配だ」「3_予習や復習ができるか心配だ」「4_自分が期待したような成果が得られるか心配だ」「5_プログラム実施の9ヶ月間、最後まで続けられるか心配だ」「6_授業に能動的に参加できるか心配だ」「7_学んだことが自分の業務に活用できるか心配だ」であり、対面受講の受講生は、設問2および設問3について不安を抱く傾向があったことに対し、オンライン受講の受講生は、設問6について不安を抱く傾向があったことが明らかとなりました。
 
 受講生は、オンライン受講にあたり、自らのニーズである人的接触を可能にするためには、「能動的」に授業に参加することが必要であると考えていることがうかがえます。すなわち、この「能動的」な活動(グループワークにおいてはグループへの「貢献度」など)が、人的接触の評価に必要な要素だということが推測できます。
 
 現在、プログラムで受講状況を把握できるデータとして、アンケート、インタビュー・ニーズ調査、各種データ(出欠状況、成績・ビデオ視聴状況など)があります。
 これらのデータを元に、「能動的」な活動を促すために、すべての授業においてグループワークやディスカッションの導入し、議論に集中できる学習サイクルや、Slack(ビジネスチャットツール)などの活用、そして特にオンライン受講生が発言できる仕掛けを行いました。
 結果、アンケートでは、対面受講とオンライン受講の満足度に差は出ませんでしたが、オンライン受講生へのインタビューでは、対面での接触と比較して、オンラインでは圧倒的に不足しているコミュニケーションの場という課題が明らかとなりました。
 

 
 報告のまとめとして、以上の課題を受けて、授業外にコミュニケーションの場を設けることや、グループワークの工夫についての提案も行いました。
 そして、これらの活動をいかに「評価」に結びつけるか、ということについては、授業外活動の参加率や、グループワークにおける議論の活性度・貢献度を測るためのルーブリックの活用などを示しました。
 
 参加メンバーからは、「評価」においてルーブリックは有用であるが、その内容や使用方法についても検討が必要であるという指摘を受け、また、今回のテーマである、人的接触の評価、例えば、グループワークや成果物における貢献度をどのように「評価」に結びつけるか、について意見交換を行いました。
 
(文責:向井 光太郎)

 
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