リサーチプロジェクト
研究報告会レポート

第11回フードビジネス・イノベーション研究報告会レポート「ソーシャル・フードデザインの世紀へ」

#いまマーケティングができること

第11回フードビジネス・イノベーション研究報告会(春のリサプロ祭り・オンライン) > 研究会の詳細はこちら
 
テーマ:ソーシャル・フードデザインの世紀へ

  1. ソーシャル・フードデザインの世紀へ ― クールジャパン戦略から見たフードビジネスの展望 ―
    渡邉 賢⼀(株式会社XPJP 代表取締役・価値デザイナー /
          内閣府クールジャパン官民連携プラットフォーム ディレクター)
  2. ディスカッション:グリーン・リカバリー下でのフードビジネス・イノベーションとは
    パネリスト:渡邉 賢⼀(同上)
          尾藤 環(辻調理師専門学校 企画部部長・産学連携教育促進室室長)
    ファシリテーター:小林 哲(大阪市立大学 経営学研究科 教授)

 
日 程:2022年3月19日(土)10:30-12:00
場 所:Zoomによるオンライン開催

 

【報告会レポート】
 第11回研究報告会は、(株)XPJPの渡邉賢一氏と辻調理師専門学校の尾藤環氏を話題提供者として招き、「ソーシャル・フードデザインの世紀へ」というテーマで、グローバル戦略を見据えた今後のフードビジネスの在り方について議論しました。
 

渡邉賢一氏 研究報告会では、まず渡邉氏より、クールジャパン戦略から見たフードビジネスの展望について話題提供いただきました。渡邉氏は、内閣府クールジャパン官⺠連携プラットフォーム・デレクターとして、日本の国家ブランディングに携わってきており、これからのグローバル戦略を考える上で、①異常気象に象徴される自然環境の劇的な変化、②戦争やパンデミックなど社会秩序の大きな動乱、③DXに象徴される革新的なデジタル化の進展という3つのトレンドを意識しながら、経済価値だけでなく、社会情勢の変化、気候の変動。価値観の変化などをトータルに考えながら食をデザインする必要があると主張します。そして、そのモデルとして世界的に注目されているのが、日本の江戸時代のフード・デザイン”Edo Green Economy”であり、江戸時代のシステムを新たな理念と技術のもと再構築し、世界に発信していくことが、ソーシャル・フードデザインの世紀における日本の役割だと指摘しました。
 
渡邉氏講演画面
 
尾藤環氏 次に、本研究会の企画運営メンバーである尾藤氏にお話しいただき、渡邉氏が描く世界を実現するには、フードシステム等の構造的な変革だけでなく、そこに参加する企業や個人の意識変革が必要であり、そのためには、社会貢献ではなく職業の役割変容をコンセプトとするグリーンジョブの教育が重要だと主張しました。
 
 その後、参加者を交えて意見交換を行い、江戸時代に戻るのではなく新たな世界にその理念を実現するために必要な技術や仕組みは何か、ICTはその実現にどのような影響を及ぼすか、ソーシャル・フードデザインの実現には、作り手である提供者のみならず、食べ手である消費者の教育(意識改革)も必要ではないか、など活発な議論がなされました。
 
【研究報告会を終えて】
 今回は、新型コロナ禍での春のリサプロ祭りということで、昨年と同様、Zoomでの開催となりましたが、多くの方に参加いただきありがとうございました。今回の研究会のテーマであるソーシャル・フードデザインは、これからのフードビジネスの支柱となる考え方であり、お二人の話題提供は、フードビジネス・イノベーションの方向を知る上で非常に有意義だったと思います。講演いただいた渡邉氏と尾藤氏に感謝いたします。
 
 なお、フードビジネス・イノベーション研究会では、一緒に研究会を盛り上げてくれる仲間を募集しております。希望される方は、気軽に小林(t.kobayashi@omu.ac.jp)まで連絡ください。お待ちしております。

 
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