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研究報告会レポート

第6回アート・イン・ビジネス研究報告会レポート「東京オリンピック・パラリンピックに関連した東京都「文化プログラム」の取り組み」

#いまマーケティングができること

第6回アート・イン・ビジネス研究報告会(オンライン) > 研究会の詳細はこちら
 
テーマ:東京オリンピック・パラリンピックに関連した東京都「文化プログラム」の取り組み
報告者:石綿 祐子 氏(アーツカウンシル東京 企画部支援デザイン担当ディレクター、元オリンピック・パラリンピック文化戦略担当課長)
司会・ファシリテーター:大西 浩志(中央大学ビジネススクール)
日 程:2022年6月23日(木)18:30-20:00
場 所:Zoomによるオンライン開催
 
【報告会レポート】
 第6回アート・イン・ビジネス研究報告会をオンラインで開催し、20名超にご参加いただきました。本研究会は、これまでアート・マネジメントやアート・マーケティングといった領域で蓄積されてきた知見と実際のビジネスとの懸け橋となる研究を目的としております。今回の報告会では、昨年の東京オリンピック・パラリンピックに合わせて実施された、東京の多様な芸術や文化を世界に発信する東京都「文化プログラム」の取り組みについてご紹介いただき、参加者によるディスカッションを行いました。
 
アーツカウンシル東京 石綿氏の報告の様子アーツカウンシル東京 石綿氏の報告の様子
 
 当初、東京都は指針として「東京文化ビジョン」策定し、都市の祝祭性の創出や東京文化の発信や人々の参加・交流、人材育成などを推進する予定でしたが、2020年初頭からの全世界での新型コロナ感染拡大により大きな影響を受けたことと計画変更にともなうご苦労をご紹介いただきました。
 特に、一般公募で2,436件の中から選ばれた13の企画「スペシャル13」は、東京都としてこれまでにない予算規模で新しいチャレンジを目指した取り組みでしたが、その実施時期が緊急事態宣言の時期と重なったこともあり、大幅な実施内容の変更を余儀なくされました。多くのリアル・イベントがオンライン実施に変更となり、企画者も参加者も未経験の状況ではありましたが、逆にリモートになったことで情報発信力が高まったケースがあったこともご紹介いただきました。また、世間的な大会に対するアンチの風潮のなかでアーティストがどのように発言すべきか、またマスメディアなどで発言が切り取られて流布してしまうことへの課題対応へのご苦労もあったとのことです。
 しかしながら、新型コロナ感染拡大により何度も状況が変化する困難な状況のなかで、アーティストと企画実施団体、そしてアーツカウンシル東京が協力し合いながら、最後までやり遂げることが一つの目標であったとの言葉に非常に重みを感じました。また、今回のスペシャル13の取り組みが若手アーティスト育成の成功事例にもなっており、今後のアート支援のモデルにもなりえるとのお話しがありました。本来の大きな目的のひとつでありながらも、今回実施が中止されてしまった「あらゆる人々が参加・交流」するプログラムについては、今後も東京都とアーツカウンシル東京にて支援や助成を実施していくとご説明いただきました。
 
東京都の一般公募企画「スペシャル13」:まさゆめ-目[mé]東京都の一般公募企画「スペシャル13」:まさゆめ-目[mé]
 
 今回は、大会延期という困難な状況のなかで、さまざまな課題もありつつ実施された東京都「文化プログラム」の取り組みをご紹介いただきました。実施企画のなかには企業が主体となって実施されたものや、様々な企業のサポートがあったこともご紹介いただき、文化プログラムへのビジネスの貢献についても知ることができました。実際にビジネスに関わっていらっしゃるマーケティング学会会員の方々にとってもアートと関連するための参考にしていただける機会になったと思います。
 
 参加者の皆様ありがとうございました。
 
【参考資料】スペシャル13記録集(アーツカウンシル東京公式サイト内)
 
(報告書作成:プロジェクトリーダー 大西 浩志)

 
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