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研究報告会レポート

第3回価値共創型マーケティング研究
報告会レポート
「サービスにおける価値共創 -S-Dロジックの知見が意味するものとは-」

第3回価値共創型マーケティング研究報告会
テーマ:「サービスにおける価値共創 -S-Dロジックの知見が意味するものとは-」
日 程:2013年12月21日(土)14:00-18:00
場 所:大阪産業大学 梅田サテライトキャンパス

 

【報告会レポート】
第3回の研究会は、価値共創の実現に向けてサービス業に迫られている課題に注目いたしました。企業と顧客との絶え間ない価値共創をどのような視点で捉えることができるのか。とりわけ顧客の興味や関心をどのように捉えることが求められているのかに焦点を当てて、今回は3名の実務家の報告を交えて議論いたしました。
 
今回の研究会でも、従来のマーケティング理論とS-Dロジックの視点が大きく異なっていることを確認しました。また、顧客側の視点に立ったサービス・プロセスの検討は、経営者の意思決定の重要性と密接に関係することや、短絡的な思考で収益を意識してはならないといった考え方が披露され、大変活発なディスカッションを展開することができました。
 
報告者と内容は以下の通りです。

 

村松潤一氏(広島大学)
「価値共創研究とサービス業の課題」
本研究会テーマの解題として、価値共創の捉え方や新たな視点が及ぼす示唆など論点の整理が行われ、価値共創の視点からみたサービス業の課題が明らかにされました。

 

永井圭子氏(倉敷 吉井旅館)・藤岡芳郎氏(大阪産業大学)
「女将がおこなう価値共創」
旅館の女将が担う価値共創の視点について、報告の最初に分析フレームワークが示されました。最初に藤岡氏から価値共創の前提やプロセスに注目する意義が示され、顧客が決める価値の実現に向けて、どのような取り組みが求められるのかという問題が提起されました。そのうえで永井氏から、事例をご披露いただきました。女将がどのような取り組みによって価値共創の機会を獲得しているのかが示されたほか、共創を促進するための工夫や配慮、若手の育成のための方策など、実践に基づきご報告いただきました。

 

佐野川谷有加子氏(ANAビジネスソリューション(株))・今村一真(茨城大学)
「サービス組織とマーケティング」
最初に今村から、サービス・マーケティング分野の既存研究とサービス・ドミナント・ロジックとの違いが示されました。既存研究がServiceを静態的に捉えたものが多いのに対し、サービス・ドミナント・ロジックはServicesを動態的に捉えプロセスでみることによってServiceを捉えています。そこで、サービス志向を組織内に浸透させ一体的な強みを形成しようとする時、こうした視点は組織にどのような意義をもたらすのかについて、研究会の趣旨に沿った検討を進めました。佐野川谷氏からは、ANAが培った組織で取り組むサービス・プロセスの構築のアプローチについて報告があり、顧客接点を持つ従業員を第一とする組織づくりの重要性が示されました。

 

近藤正之氏((株)ユー・エス・ジェイ)
「UNIVERSAL STUDIOS JAPAN Magical Moment Project: ゲストとクルーが創り出す価値」
大藪亮氏(岡山理科大学)
「顧客視点の価値共創プロセス:ユー・エス・ジェイの事例」
UNIVERSAL STUDIOS JAPANで実践されているゲストとクルーのコミュニケーションはまさに価値共創そのものです。そこで最初に近藤氏からは、この取り組みが推進される経緯や組織全体に浸透させるための方法、そして効果についてご説明いただきました。続いて大藪氏からは、このことの影響や効果をどう解釈するか、S-Dロジックの視点による考察は、従来の相互作用の捉え方とどう異なるかについてご説明いただきました。

 

研究発表後、研究会参加者の質問を中心にディスカッションが展開されました。価値共創を重視する組織への転換をどのように推進できるのか、サービス業の成果を異業種に適応させるための工夫とは何かなど、幅広い視点から意見が述べられ、活発な議論が展開されました。
 
次回の研究会は3月23日(日)明治大学駿河台キャンパスで開催します。会員の皆様のご参加をお待ちしております。

 

(文責:今村)

 

研究会の様子 研究会の様子
研究会の様子

 
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