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研究報告会の案内

リサーチプロジェクト第19回<価値共創型マーケティング研究会> 

【研究報告会】
第19回<価値共創型マーケティング研究報告会>
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*学会員のみ参加いただけます。入会後、お申込みください。

 
テーマ:お年寄りの見守りにみる顧客のコンテクスト
 

 本研究会は、サービス・ドミナント・ロジック(S-Dロジック)に端を発する企業・顧客間関係の新たな捉え方、価値共創の概念について検討しています。今年度も、価値共創概念の精緻化に留まらず、実践的展開にも議論を広げ、新たな視点によるマーケティングやマネジメントにどのような意義が生じていくのかを追究していきます。
 第19回目の研究会では、「こころみ」のビジネスモデルに注目します。これまでのマーケティング界では、アクティブシニア層が注目されることが多かったように思われます。他方、ここに分類されなくとも、自立的な生活を営むお年寄りは少なくありません。しかし、旺盛な消費意欲が期待できないなどの理由から、企業が注目することは少ないのが現状です。そうはいえ、お年寄りの立場から考えれば、普段の生活を充実させ、豊かな毎日を送りたいと考えているに違いありません。
 「こころみ」は、ご子息が遠方で生活しているためにご両親の見守りができない人の手助けをしようという取り組みを進めています。ご子息に代わってコミュニケーターが定期的にお年寄りと連絡をとりながら、お年寄りの日常をご子息に伝えます。同社はビジネスモデルを展開するうえで、アクティブシニア層以外のお年寄りにも積極的に関与する取り組みを進めていきました。
 こうした見守りサービスを継続していくと、お年寄りに変化が生じるようになるといいます。まず、日常生活であったさまざまな出来事を伸び伸びとお話になるようになる方がいらっしゃるそうです。さらに、やや内向的だった気持ちが好転し、社交性を回復するようになるなど、中には自らの力で明るく生きる生き方に気づくようになる方も現れ、同社が提供する見守りサービスは、こうしたお年寄りの生き方を垣間見る貴重な取り組みへと進展してきます。
 代表取締役社長の神山様によると、お年寄りとの継続的な関係構築が重要になるといいます。コミュニケーターは“聞き上手”であることが求められ、同社はこのスキルを独自に養成しています。また、お年寄りのアクティブな生き方をご子息が垣間見ることができれば、ご子息とのコミュニケーションも円滑になります。
 これら事実から明らかなのは、お年寄りの日常をコンテクストとして捉える格好の方法を同社のコミュニケーターは有しているといえます。また、コンテクストの豊富化がお年寄りにとって望ましい生き方であり、それを支える活動として定着しているともいえます。お年寄りの尊厳を第一義とし、社会性を大切にすることで、お年寄りは自身のアイデンティティを再認識し、誇りをもって生きようとします。見失われたコンテクストは、こうして浮かび上がるといえます。
 今回は(株)こころみの代表取締役、神山晃男様にご登壇いただき、お年寄りのコンテクストに迫るビジネスモデルの構築を、どのように推進したのかお話しいただきます。今回も、いつものようにディスカッションを通じて参加したさまざまな方と意見を交えて議論することで、あらためて価値共創の意義を考察する機会を確保できればと存じます。
 

報告者(予定):
「コンテクスト解明に向けた理論と実践の接続の試み」
 今村 一真(茨城大学 人文社会科学部 准教授)
「『こころみ』が拓くアクティビティの豊富化とビジネス」(仮題)
 神山 晃男 氏(株式会社こころみ 代表取締役社長)
 
パネルディスカッション
 今村 一真(茨城大学)
 神山 晃男 氏(こころみ)
 藤岡 芳郎(大阪産業大学)

 
日 時:2017年6月11日(日)14:00-16:30
場 所:大阪産業大学(梅田サテライトキャンパス) >MAP
    〒530-0001 大阪市北区梅田1-1-3 大阪駅前第3ビル19階
 

参加費:無料
定 員:先着30名
応募締切:2016年5月25日(木)
 
【お願い】
*当日は、サイト掲載の為会場の様子を撮影予定です。問題がある場合は、当日、プロジェクト企画運営メンバーにお伝えください。
*報告会は定員制であり、追加募集などの処理が煩雑になるため、キャンセルができないことをご了解ください。
 
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