マーケティング・
リサーチプロジェクト

物語マーケティング研究会

【研究目的】
 80年代後半以降、脱近代科学主義(ポスト・モダン)的なマーケティング概念において、買い手と売り手が新しい共創価値と問題解決を探り合うマーケティング・パラダイムが提唱されてきた(石井1992、嶋口1997など)。嶋口は「買い手ニーズを科学的に解明して適応的に対応するフィットネス型ではない、インタラクティブ・マーケティングが求められる」と指摘している。その際に企業が買い手に投げかける提案、すなわち「物語」がさらに重要になっているという指摘が、実務現場からも多くなされるようになってきた。
 企業が投げかける「物語の質」は、その後の顧客の行動、企業との関係性のみならず、結果的にそれに適応的に対応する企業のマーケティングの在り方をも左右する。つまり物語は、情報化社会におけるマーケティングの基点になると言える。特に情報化社会が進展し、企業と生活者が直接的に繋がれるインターフェイスを持ち得る時代においては、企業が「質の高い物語」を語る力は、ますます重要になると思われる。
 では、マーケティングにおける「物語の質」とは何か。そもそもマーケティングにおいては、このような「物語」という考え方がたびたび登場するものの、適用される対象はひとつではない。アイデンティティ構造・事業モデル構造・コミュニケーション手順など、その対象は多岐にわたる。したがって物語の質、あるいはそれを高める構成要素や手法についての理論も、まちまちである。このように物語という捉え方は広がりを感じさせ魅力的ではあるが、マーケティングにおける適用領域・優劣を決める要因・活用手法などの枠組みが提示されているわけではない。
 そこで本研究会では、物語マーケティングに関する理論的研究、先端的な事例研究を通じて、物語マーケティングの新たな理論体系を構築することを目的とする。
 

【研究方法および研究計画】
 前期では、2017年度に仮説として提示した「ナラティブ・マーケティング」という視座に立ち、引き続き関連研究領域を確認し理論構築に向けた検討を進める。また収集したケースから核となるケースを抽出、分析の精緻化を進める。
 後期はさらに研究を推進し、ナラティブ・マーケティングの理論構築に向けて深化させる。またケースのステートメントとして記述を進める。これらを基に研究報告会につなげていく。
 

【研究期間】
2017年4月〜2021年3月

 

【リーダー】
内田 和成 早稲田大学商学学術院 教授

 

【企画運営メンバー】
松井  剛 一橋大学 教授
増田 明子 千葉商科大学 准教授
津村 将章 中京大学 准教授
牧口 松二 株式会社博報堂 第二プランニング局 局長代理
岩井 琢磨 株式会社顧客時間 共同CEO 代表取締役
櫻井 光行 株式会社ビジネス・デザイン・アソシエイツ 代表取締役
和田 久志 株式会社電通 関西第3ビジネスプロデュース局 シニア・統合マーケティング・プロデューサー

 

【研究報告会の案内】
次回開催日が決定次第、お知らせします。
 
【研究報告会レポート】
第3回 2020年1月23日
> 「赤城乳業の物語マーケティング 〜ガリガリ君、かく語りき。ロングセラーブランドの鮮度〜」
萩原史雄氏(赤城乳業株式会社 執行役員 開発本部 本部長代行)

 
第2回 2019年3月28日
> 「日清食品の物語マーケティング 〜超ロングセラーブランドが、物語で再び輝きだす〜」
深澤勝義氏(日清食品ホールディングス株式会社 執行役員・CMO)

 
第1回 2018年3月17日(春のリサプロ祭り)
> 「物語マーケティングのフロンティア – ストーリー・マーケティングからナラティブ・マーケティングへ –」
岩井琢磨(大広)・増田明子(千葉商科大学)・松井剛(一橋大学)・小宮信彦(電通)・牧口松二(博報堂)

 
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