マーケティングジャーナル
Online ISSN : 2188-1669
Print ISSN : 0389-7265
論文
循環型消費者行動モデルiDEACCycle(アイデアサイクル)の提案
─ 消費者日記調査・インタビュー調査を基に ─
川村 洋次
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2013 年 33 巻 2 号 p. 95-109

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抄録

本研究は,様々なメディア(マスメディア,インターネット,対人など)の環境における消費者の情報行動や思考内容を明らかにし,社会・消費現象を解釈・分析・予測するための消費者行動モデルの提案を行った。まず,消費者の行動,人との関わり,商品との関わり,情報との関わりおよび思考に関する日記調査とインタビュー調査を実施し,消費者関与別に具体的な消費者情報処理過程の段階や処理内容を集計・分析した。次に,集計・分析結果を踏まえ,消費者の行動を3つの層(認知・反応,獲得・考察,着想・表現),8つの段階(認知,理解,購買・消費,獲得,考察,確信,着想,表現)によって特徴づけた循環型消費者行動モデルiDEACCycle(アイデアサイクル)を提案した。そして,アイデアサイクルによる3種類のエージェント(キャスター,インベスティゲイター,アクセプター)を活用した社会コミュニケーションモデルを構成した。このモデルは,消費者がメディアからの情報刺激を受けて,消費者自身の思考や行動を循環させる過程,メディアを介して企業と消費者の間で様々な情報が社会的に循環する過程を含む多重循環モデルである。

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© 2013 The Author(s).
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