2013 年 33 巻 2 号 p. 139-153
本稿では,マーケティング分野において,ネットワークの理論やその分析手法を応用した実証研究をとりあげ,その研究内容を①時系列的,②研究領域別(組織内,組織間,消費者間)に整理し,その現状と課題について考察することを目的とする。ネットワーク分析は現象の包括的記述および分析を可能にするため,近年,多くの分野において注目を集めている。本稿でとりあげた研究に対する考察を通じて,複数の要素が相互作用し生じる複雑な現象を扱うマーケティング研究において,それが有用なアプローチとなり得ることを示す。