2014 年 33 巻 3 号 p. 32-45
「提供者と被提供者が共に資源を提供し合い相互作用の中で価値を創造する」という「共創価値」は,経営学分野では鍵概念となりつつある。本稿では,サービスにおける共創価値を促進する仕組みどのような枠組みで捉え測定可能にするかを,共創価値概念,実務的意味,測定課題の点から検討した。その結果,共創価値の促進要因を,影響する価値の種類(金銭価値・知識価値・感情価値),便益と費用(価値増加と損失低減),効果の時間(短期・長期)の3軸で分類した。さらに,サービス・トライアングルをベースとする企業・従業員・顧客がそれぞれ獲得する価値を均衡させることによって共創を促進するモデルを提案した。