2014 年 34 巻 1 号 p. 109-126
地域ブランドへの関心が高まる中,地域ブランドアイデンティティ策定の方法論や体系化の必要性が問われている。そこで当論文においては,日本における地域ブランド研究と実務の実態を検証し,現状起きている問題点を抽出した上で,欧米におけるプレイス・ブランディング研究,さらには人文地理学におけるプレイス論研究を積極的に取り入れることで,地域ブランドアイデンティティ策定に有効な示唆を与える「地域ブランドアイデンティティ生成モデル」を開発した。その結果,策定時において鍵となることは,地域資産の単なる選択ではなく創造的な意味づけや,多様な意味を結び付けていく物語編集力であり,今後の地域ブランドアイデンティティ策定の在り方を問う内容になっている。