ソーシャルメディア等の普及により,オンラインコミュニティに対するマーケティング上の関心が高まっていると思われるが,それを参加者間のネットワークによって形成された「場」と考えるとき,コミュニティをどのように捉え,アプローチするかについての枠組みが求められることになろう。本稿では,近年のコミュニティ理解においてやはり関心の高い「社会関係資本」概念を取り上げ,特にそれをマクロ的に捉えた場合の特徴について,代表的論者の一人のPutnamの議論をふまえながら作用のメカニズム,影響の範囲,その種別の三点から整理した上で,このような特徴に基づき特にオンラインコミュニティが内包する論点および課題について考察を行った。