本稿は,現在進行中のランニングシューズのテーラーメイド製品開発において,予定されているテーラーメイド提供サービスを例に,消費者側のテーラーメイド・サービスに対する受容について,サービス利用意向に与える要因と因果関係を識別することを目的とする。ランナーを対象とするアンケート調査を実施し,共分散構造分析を用いた分析の結果,ユーザー自身の技術受容と資源を統合する能力が,企業からのサービス提供への参加行動慣性を高め,新技術利用のサービスの利用意向に影響を与えることが明らかになった。また,機能的および快楽的な手がかりが利用意向を高めることも検証された。さらに,補完調査において,ランニングシューズの用途により,テーラーメイド・サービスの利用意向が属性レベルで異なることが確認された。