2017 年 36 巻 3 号 p. 133-143
消費者が製品・サービスの購買時に選択代替案のそれぞれに利点と欠点があるため,選択に迷うことは一般的なことである。このような意思決定におけるコンフリクトは消費者の意思決定過程や選択に対して様々な影響を与えることが指摘されている。それゆえ,効果的なマーケティング活動を行うためには,それらの影響について理解することが重要であると考えられる。そこで,本稿では,消費者の意思決定におけるコンフリクトに焦点を当て,その影響について「目標のコンフリクト」「選択代替案間のコンフリクト」「選択代替案内のコンフリクト」という3つの視点から先行研究の整理を行う。そのうえで今後の研究課題を提示する。