マーケティングジャーナル
Online ISSN : 2188-1669
Print ISSN : 0389-7265
投稿査読論文
美術館におけるサービス・クオリティと教養の獲得
高橋 史早
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2018 年 38 巻 1 号 p. 78-91

詳細
抄録

従来のサービス・クオリティ研究は,主要なサービス品質測定尺度であるSERVQUALを中心として発展するとともに,サービス品質と顧客満足を仲介する知覚価値についても検討してきた。本研究は,知識的な知覚価値である教養の獲得に着目し,生涯学習施設におけるサービス品質や施設に対する総合的な評価との関係を検討する。すなわち,本研究の目的は,教養の獲得が利用者の総合評価に関係しているかを検証し,利用者の教養獲得がどのようなサービスによって促されているのかを解明することにある。公立美術館の利用者122名に対して実施した質問紙調査データを分析した結果,(1)教養の獲得は総合評価を高めること,(2)展示方法と従業員サービスの2つのサービス品質が教養の獲得を促すこと,(3)施設の快適性は総合評価を高めていることが明らかとなった。これらの発見事実は,理論的・実践的観点から検討された。

著者関連情報
© 2018 The Author(s).
前の記事 次の記事
feedback
Top