リサーチプロジェクト
研究報告会レポート

第2回ソーシャル・ビジネス研究
報告会レポート
「ファンドレイジングと
ソーシャルビジネス」

第2回 ソーシャル・ビジネス研究会
テーマ:「ファンドレイジングとソーシャルビジネス」
ゲスト:ジャスト・ギビング・ジャパン事務局長 梶川 拓也 氏
日 程:2013年5月16日(木) 16:50-18:20
場 所:法政大学 市ヶ谷キャンパス
共 催:法政大学 西川英彦研究室

 

「ジャスト・ギビングを知っている方は?」、「ジャスト・ギビングを使って寄附をしたことがある方は?」。梶川さんは冒頭、フロアにこんな質問をした。結果は、「知っている人」はフロアの大多数。しかし「寄附した人」は数えるほどだった。
日本の個人寄附市場は、全体で5,000億円(東北関東大震災寄附除く)、うち3,000億円が宗教への寄附、残り2,000億円のうち、1,000億円は赤十字、赤羽根募金などの大手寄附団体と言う。つまりそれ以外の寄附先はまだ1,000億円ほどしか存在しない。日本の寄附市場は大きな可能性が存在することを示すところから講演はスタート。

 

梶川拓也氏 講演風景
写真左から、ゲストの梶川さん、講演風景

 

ジャスト・ギビング・ジャパン

ジャスト・ギビングとはイギリスで2001年に設立された事業会社。設立のきっかけが面白い。ロンドンマラソンに出場するランナーが、「○○のために完走する」といった寄付メニューと個人目標が表示された募金箱を持ち、資金を集めていた様子をみてこの仕組みを思いついたと言う。つまりランナーが生み出した仕組みがモデルになっている。ランナーは自らのためだけに走るのではなく、社会の課題の解決を結びつけたのである。ロンドンマラソンでは60億円から80億円の寄付が集まる。そのうち半分の金額をジャスト・ギビングが取り扱うという。

個人が目標を設定し、広く世の中に呼びかけ寄附を集める。目標への共感によって集まった寄附を、個人が選択した組織、団体に寄附をする。このような寄附方式は、単に個人が行う寄附よりも、多くの資金を集める可能性が高まると共に、社会的な注目度も高くなる。そして結果として社会を大きく変える可能性も高くなる。

 

収益の仕組み

寄付メニューが提供され、そのメニューに共感する個人が寄付をする。集まった寄付は一旦、寄付先にそのまま入金される。そして(ジャスト・ギビング・ジャパン経由の)寄付総額の10%を期間ごとに手数料として支払う。その手数料がジャスト・ギビング・ジャパンの売上の一部となる。

それ以外にも、鎌倉市に対する寄付による資金調達の仕組み提案など行政等への提案を事業化している。寄付の機会を自ら創る活動と共に、複数の収益事業を組合せて収益の安定をはかっている。

 

マーケティングと寄付型ファンディング

民間非営利団体、個人が社会課題を解決しビジネスにつなげるためには、構想や人材に加えて資金の確保が不可欠。「ファンドレイジング」は、寄付のみならず、補助金、助成金を含めた多様な方法を戦略的に組み合わせた新たな資金調達の方法を言う。
ジャスト・ギビング・ジャパンの強みは、信頼力、訴求力、拡散力にあると言う。寄附が目的通り正しく使われること。個人と社会課題を解決する企画を生み出すこと。そしてそれらの内容を広く社会に広報できること。日本の「ファンドレイジング」分野における、マーケティング研究の可能性は、これらの3つの分野に加えて、個人の寄付行動を拡大するための分野、寄附を組み込んだビジネスモデル構築の分野など多様な可能性がありそうだ。

 
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