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日本マーケティング学会 カンファレンス・プロシーディングス Vol.6 |
競争対応のマーケティング戦略 |
反復囚人のジレンマ・ゲーム的製品競争下における実証分析 |
中村 世名 慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程 |
発行:2017年10月12日 |
分類:博士単独報告 |
掲載形態:報告概要 |
要約 : 伝統的に,マーケティング研究者達は,競争志向型の市場行動を近視眼的行動として批判してきたが,反復囚人のジレンマ・ゲーム的状況下においては,適切な競争志向型の市場行動の採用が,むしろ協調関係の構築につながり,優れた成果を達成できる可能性もある。このことを暗示しているのが,Axelrodのしっぺ返し戦略に関する研究である。しかし,マーケティング論の分野においてしっぺ返し戦略の有効性を検討した研究は存在しない。そこで,本論は,製品導入行動に着目し,まず,企業間の製品導入行動の意思決定が反復囚人のジレンマ・ゲーム的状況となる条件を特定化し,次に,同状況下において,しっぺ返し戦略の採用が,競合企業の意思決定および当該企業の企業成果に及ぼす影響に関する仮説を提唱し,最後に,清涼飲料水産業において企業が実際に採用した製品導入行動および企業成果に関する2次データを用いて実証分析を行った。その結果,しっぺ返し戦略の採用が,競合企業の競争的製品導入行動の採用を抑制できること,また,当該企業の優れた企業成果の達成に貢献することが示唆された。 |
キーワード : しっぺ返し戦略 製品導入行動の意思決定 2次データ |
ページ : pp.467-469 |
ファイルサイズ : 286KB |
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