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第3回マーケティングサロンレポート
「リ・ブランディング
~トヨタReBORNを事例に~」

第3回 マーケティングサロン「リ・ブランディング~トヨタReBORNを事例に~」

ゲスト:土橋代幸氏(株式会社トヨタマーケティングジャパン プロデュース局 クリエイティブ室 室長)
テーマ:トヨタ再出発に込めた想い“ReBORN”
日 程:2013年3月13日(水)19:00~21:00
場 所:日本マーケティング協会 東京本部
サロン委員:新井将能・木村秀雄

 

【サロンレポート】

企業のブランド価値を向上させることが、企業価値、収益向上にどの程度貢献するのか。
これは、企業で共通で抱えている大きな課題ではないでしょうか。
今回のサロンでは、株式会社トヨタマーケティングジャパンプロデュース局長土橋代幸様をお迎えして、企業ブランド価値の向上についてディスカッションしました。
土橋さんは、トヨタの「ReBORN」を代表とする企業CMを手掛け、企業再生に向けたリブランディングを牽引していらっしゃいます。

 

【概要】
●企業ブランド価値向上の効果は?
「A社が一番好きではない人が、一番好きになるとA社の車を買いたくなる確率は何倍になるでしょうか?」
この問いから土橋さんのプレゼンテーションが始まりました。
正解はなんと10倍。仮にA社ファンが3%増えると6万台の増販効果があるとの報告も!車という商品特性上、ブランド好意からの影響を強く受けるとのことですが、いかに、企業ブランディングの向上が企業価値向上に効果的かがわかります。


写真左から、ゲストの土橋さん、会場の様子

 

●トヨタ自動車の企業ブランドキャンペーンの紹介
トヨタ自動車では、「複眼思想」(1975)、「移動空間のクオリティ(1981)、「LASRE」(1981)、「LASRE&PEGASUS」(1985)、「GOA」(1996)、「ECO-PROJECT」(1997)、「ECO-PROJECT」(1997)などの、企業好意度の推移企業ブランドCM、キャンペーンをうち、品質、技術、環境性能の訴求を通じて企業価値を向上させてきました。
実際に、1978年には各社ほとんど変わらなかった企業好意度は、キャンペーンによって向上し、それに比例するように販売台数を伸びています。プレゼンテーションでは、当時のCMも上映され、「懐かしい!」との声も上がっていました。

 

●ReBORN(2011)
東日本大震災の前と後で、生活者は企業姿勢重視へ大きく変化しており、「社会に貢献しよう、もっと良い社会に変えていこう」という企業姿勢が非常に重要視されるようになってきました。2008年のリーマンショック、2010年の品質問題、2011年の東日本大震災という大きな困難を経て、2011年からトヨタは企業ブランド価値の再構築に挑戦しています。それがReBORNです。ここには、「トヨタは生まれ変わりたい。日本も生まれ変わってほしい」という想いを込められています。この中では、震災後の東北の状況をダイレクトに扱い、より強いメッセージを継続的に発進しています。

 

● 社内を突破するには上から攻めろ!
参加者とのディスカッションにおいてこんな質問が出ました。
・ センシティブな東北をダイレクトに取り扱うなど、エッジの効いたCMやメッセージを展開しているが、社内での軋轢はないのか?
そこで、土橋さんからはこんなお答えをいただきました。
「企業コミュニケーションは企業の考え方そのものなので、トップと直接話しをすることが重要です。それによって、メッセージに込められた“想い”を絶対にずらさないようにしています。ReBORNを始めるときも、トヨタの懐の深さを試されていることを社長に理解してもらうため何度も話しをしました。逃げない姿勢を引き出すことが必要です。修正が効くうちに、会社の想いとやりたいこと、出したいメッセージの擦り合わせを行っています」
こういった擦り合わせをトップ何度も行うことによって、社内のコンセンサスを得ているんですね。

 


写真左から、集合写真(前列中央 土橋代幸氏)、会場の様子

 

【サロンを終えて】

土橋さんの「FACT以上のことを広告でやると逆効果にある。私は、FACTよりも下のことを広告で言うように心がけています。FACTをきちんと作っている(東北の復興など)ので、このようなメッセージを出せる。企業DNAに関するFACTをベースにした説明を常に心がけることが必要だと思う。」という言葉がとても印象的でした。常に、社内のFACTを追求し、それを効果的にメッセージとして発信し続けることが、企業ブランド価値向上において最も大事なことなのではないでしょうか。

 

(サロン委員:新井将能)

 
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