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第8回マーケティングサロンレポート
「高収益のしくみについて。
顧客志向と高効率のビジネスモデル
~セールスフォース・ドットコムの例~」

第8回 マーケティングサロン
「高収益のしくみについて。顧客志向と高効率のビジネスモデル~セールスフォース・ドットコムの例~」

日程:2013年7月24日(水)19:00~21:00
場所:日本マーケティング協会 東京本部
ゲスト:セールスフォース・ドットコム 執行役員 プロダクトマーケティング 榎 隆司氏
サロン委員:依田祐一・高橋千枝子・東口晃子

 

【サロンレポート】
今回のサロンは、グローバル展開する高収益企業のビジネスのしくみとサービス展開に焦点を当てました。
セールスフォース・ドットコム社は、クラウドコンピューティングの先進技術を活用した企業向けITサービスを提供しています。創業より四半期ベースにて13年間連続の増収増益を続け、年間売上高は20億ドルを超え、売上高総利益率が約80%水準の超高収益企業です。
今回、同社の高効率のビジネスモデル、顧客中心のビジョン「カスタマーカンパニー」をふまえたサービス展開について、マーケティングの責任者である榎氏から、事例のビデオをまじえながら、お話しいただきました。

 

【概要】
・ 企業、公共機関におけるクラウドコンピューティングの利用がさらに広がってきており、初期構築の費用負担も少なく、開発期間も短いことから、クラウドコンピューティングの採用を先ず検討するという「クラウドファースト」の意識が浸透してきている(例えば、米国)。
・ マルチテナント型のクラウドコンピューティングモデルが、同社の特質であり、このビジネスモデルを実現している(例.自動アップグレードや規模に合わせた拡張、高いシステム信頼性、デバイスやデータ移植などのオープン性)
・ パートナー企業が開発したビジネスアプリケーションを顧客企業が検索、評価、導入可能なマーケットプレイスを運営している。1700超のアプリケーション数と150万件のインストール実績となっている。エコシステムとして、進展し続けている。
・ カスタマー革命が進行しており、消費者の価値観の変化が顕著であり、そのため同社は顧客志向を徹底し、レピュテーションをマネジメントするといった「カスタマーカンパニー」に移行している。同社の認識するカスタマー革命とは、以下のような点である。

ソーシャル革命・コミュニティ革命・トラスト革命
45億人がソーシャルメディアを活用し、顧客(消費者)は企業からの広告よりも、友人や他の消費者のコメントをソーシャルメディアにて参照しながら、消費する。企業は、ソーシャルチャネルで顧客との関係を築き、あらゆる会話に耳を傾け対応する。非公開・公開のコミュニティが生成され続け、顧客・社員・パートナーの関係が強化される。また、顧客のプライバシーや情報に配慮が必要であり、対等な関係、信頼関係が極めて重要となる。
モバイル革命
2012年で17億台のタッチ対応デバイスが出荷され、あらゆる場所から情報にアクセスする。
ビッグデータ革命
顧客・製品、利用状況に関するデータが収集され、顧客の本質的なニーズを見抜く。2020年までに1日当たりのビジネストランザクションは4,500億件に達する。
クラウド革命・アプリケーション革命
2012年現在、1,110億ドル規模の産業、年間成長率18%となってきている。あらゆる企業がモバイルアプリケーションを開発、利用する。

・ 就業時間・株式・製品の1%を社会貢献活動に当てている(例.44.5万時間の地域貢献活動、4,000万ドルの助成金、17,500ライセンスのNPOへの無償提供)。

 

【主なディスカッション】
・13年間の収益拡大が続いているのは、顧客のサービス利用が継続されているため。効果的なサービス利用をされないと、解約につながるため、利用率が少ない顧客について、フォローや提案を行っている。
・1人複数台のスマートフォン・タブレット端末を持つ時代になってきた。顧客は、いつでもどこでも、商品情報や価格を入手でき、ソーシャルでコミュニティとつながり、コミュニティが消費行動に影響を与える。企業もソーシャルチャネルに耳を傾け、消費者の属するコミュニティとのつながりが大切になってきている。
・ビッグデータの活用は、Radian6のサービスにより、FacebookやTwitterとリアルタイムの分析に係る提携をしているため、ソーシャルの動向が把握できるサービスとなっている。
・B to B、B to Cという区別をあまりせずに、営業活動をしている。顧客(B)の先に、Cがいる認識となる。
 

講演中の榎氏 グループディスカッションの様子
写真左から、講演中の榎氏、グループディスカッションの様子

 

【サロンを終えて】
今回のサロンにおいて、モバイルやソーシャルメディアの利用が進み、消費者の行動や企業への発言力などが様変わりしてきていることから、企業は顧客(消費者を含む)との関係を見直す時ではないか、というマーケティング実践に対するメッセージが投げかけられました。今回のサロンでは、テーブルごとの小グループにて事例に関する所感や疑問をシェアした後に、それらの内容を全体にシェア及びゲストから回答をいただく形をとりました。参加された学会員から、多様な観点のコメントやご質問を提示いただきました。サロンの主旨であるマーケティング実践に係る新たな気づきが生まれ、理解が促進されるインタラクティブな場になったように思いました。
最後に、この場を借りて、ゲストスピーカーをお引き受けいただきました榎隆司様、積極参加をいただきました学会員の皆様に、あらためて心より感謝申し上げます。

 

集合写真
集合写真

 

(サロン委員:依田 祐一)

 
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