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第10回マーケティングサロンレポート:大阪
「“地域の誇り”として生きる〜リーガロイヤルホテルの地域ブランド化戦略」

第10回 マーケティングサロン:大阪
「“地域の誇り”として生きる〜リーガロイヤルホテルの地域ブランド化戦略」

日程:2013年9月13日(金)19:00~21:00
場所:グランフロント大阪 北館7F ナレッジサロン会議室
ゲスト:株式会社ロイヤルホテル 経営企画部 部長 荻田 勝紀 氏
サロン委員:岩井琢磨・高崎栄一

 

【サロンレポート】
荻田勝紀氏グローバルブランド参入が進む競争環境に、国内ブランドはどのように立ち向かえば良いのか。
今回のサロンでは、株式会社ロイヤルホテル経営企画部 部長 荻田勝紀様をお迎えし、地域ブランドの特徴を戦略的に活用していくための取組みについて、お話を伺いました。
荻田様は2011年からのリーガロイヤルホテル「ブランドプロジェクト」を主導し、その後、マーケティング部長・広報ブランド推進室長・経営企画部 部長を歴任しておられます。

 

【概要】
ブランドのDNAを想い出せ!
リーガロイヤルホテルの地域ブランドとしての戦いは、自らの原点を想い出すところから始まりました。経営陣と現場が一体となった3ヶ月のプロジェクトの末、行き着いたのは「変わらない原点」の再認識でした。
リーガロイヤルホテルの前身「新大阪ホテル」は、「西の迎賓館を」との大阪府民・大阪財界の有志によって誕生しました。その後、現在の地に移転する際には名称を公募し、「ロイヤルホテル」と命名されています。つまりひとりの創業者ではなく、お客様によって生み出され、お客様によって名付けられ、お客様によって育まれてきたホテル。
「こんな幸せなホテルは、おそらく日本中どこにもない」という認識を、改めて社内で共有できたことが、その後の方針を決めました。
 

講演中の荻田氏 会場の様子
写真左から、講演中の荻田氏、会場の様子

 

Pride of OSAKA
そして現在リーガロイヤルホテルが掲げるホテル・プロミス、「Pride of OSAKA 〜大阪が誇れるホテルであり続けること」が生まれました。この言葉は経営トップから社内外に発表され、さらにスタッフ一人ひとりが自分にとっての「Pride」をエピソードと共に言葉にし、ブランドブックに編集。地域の誇りとして生きることを社内が認識し、活動の起点として位置づけられました。
実際にサロン会場ではブランドブックが配布され、参加者の皆さんはその熱いエピソードの数々を、熱心に読んでいました。

 

固定観念を突き崩し、行動を変えていく
ホテル・プロミスが出来ても、その言葉を行動に移すためには、社内の仕組みを変えていかねばなりません。リーガロイヤルホテルはその後、社内にあったマーケティングに関する固定観念を次々に突き崩していきます。価格の設定、商品企画の進め方、組織の連携、広報の機能…これまでの在り方を見直し、活性化させ、成功体験を積むことで、ひとつひとつ仕組みを変えていきました。
ブランディングの最大の力点は「社員の意識を変え、仕組みを創ること」にあり、それをやり切ることの大切さを改めて認識できるエピソードの数々。「失敗は投資」・「答えはお客様が教えてくださる」・「成功体験が現場を育てる」、荻田様からの言葉がとても印象的でした。

 

地域での評価が、全国の評価を創る
参加者とのディスカッションでは、「Pride of OSAKAというブランドは大阪のお客様には響くと思うが、他地域のお客様からはどうか。大阪以外からはどう見られたいのか」といった質問が出ました。荻田様からは、大阪以外からのお客様が当然多いこと、また全国ホテルランキングなどで高評価を得ている現状に触れ、このようなお答えを頂きました。
「地域で誇りに想われるホテルであることが、やはりブランディングにおける第一義です。地域での高い評価は、地域外からのお客様がホテルを選ぶ際の理由になり、必ず全国での評価に繫がっていきます。内部の意識をあげ、地域で評価頂き、そのことを全国に拡げていく。この循環を何度も何度も繰り返していくことが大切だと思っています」。
地域ブランドを創っていく、一貫した姿勢が伺えたお言葉でした。

 

集合写真
集合写真(前列中央 荻田勝紀氏)

 

【サロンを終えて】
最後に、「ロイヤルホテルがこれからも100年、200年と続いていくためにこそ、地域と共に歩んでいく」というお話がありました。ホテルが位置する「中之島地域のブランド化」を次の課題に挙げられ、経営陣が率先して地域の催しなどに取り組んでおられることが事例として紹介されました。常に地域の将来を考え、そのために誰よりも早く行動する「仕組み」を持っていること。それが地域ブランド最大の強みであり、戦い方の原点ではないでしょうか。

 

(サロン委員:岩井 琢磨)

 
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