ニュースリリース

第25回マーケティングサロンレポート
「シリコンバレーのスタートアップのつくりかた ~イノベーションを創発するエコシステム~」

第25回 マーケティングサロン
「シリコンバレーのスタートアップのつくりかた ~イノベーションを創発するエコシステム~」

日程:2015年1月28日(水)19:00~20:30
場所:アサヒラボ・ガーデン(大阪富国生命ビル4Fまちラボ内)
ゲスト:近畿大学 経営学部教授 廣田 章光 氏
サロン委員:小林哲、藤澤聡子

 

【サロンレポート】
 今回のサロンは、当学会理事で関西のマーケティングサロン活動に関してもご協力いただいている近畿大学の廣田章光氏にご登壇いただき、一昨年から1年にわたるスタンフォード大学(シリコンバレー)での在外研究をともに、シリコンバレーのスタートアップを生み出す仕組み、そして、日本でスタートアップを増やす方法について語っていただきました。

 
廣田章光氏
ゲストの廣田章光氏

 

【概要】
スタートアップの領域
 スタートアップとは、新しく設立された企業のことで、日本ではベンチャーと呼ばれます(ベンチャーは和製英語)。シリコンバレーのスタートアップは、デジタル領域の事業が注目されがちですが、アナログ領域のものも少なくなく、また、マーケティングが強調する「差異の創出」よりも、Googleに象徴される「差の解消」を目指すものが多く見受けられます。
 
プロダクトを「作る」
 シリコンバレーの強さは、「アイデアをカタチにする力」にあります。また、シリコンバレーは、ITのイメージが強いですが、サンフランシスコ湾の東側には製造業が集まっており、モノづくりの拠点でもあります。これが、事業化のためのプロトタイプの作成や小ロット生産に大いに役立っています。
 
人材を「創る」
 シリコンバレーのもうひとつの強みは、スタンフォード大学を中心とする人材育成にあります。たとえば、私が授業を聴講した機械工学科には、「デザインの人的価値(human value of design)」や「ニーズ探索(need finding)」などマーケティング関連の講義があり、社会に役立つ(事業化可能な)技術者の育成を心掛けています。
 
人を「つなげる」
 教育において人をつなげる上で大きな役割を担うのがd school。d schoolは学際的な教育機関で、コンピュータ・サイエンス、医学、工学、法学、経営学の学生が同じプログラムに参加することで、デザイン志向を身につけるだけでなく、他者の考え方や自らの役割を知ることができるようになっています。また、シリコンバレーには、グローバル企業の研究所や各国のメディア・センターが集まっており、これがシリコンバレーと世界をつなぐ役割を果たしています。
 
スタートアップを「支える」
 多様なファンドレイジングによる資金的援助はもちろんですが、シリコンバレーのスタートアップを支えるのは、多産多死を可能にする気軽なチャレンジにあります。たとえば、スタンフォード大のBio-Xの展覧会では、企業の大小や法人個人にかかわりなく、同じ規模のブースが割り当てられ、内容も玉石混合で何でもあり。この気軽さがスタートアップを育てる上で重要だと思います。
 
日本の課題
 スタートアップにとって重要なのは、「市場は小さいが直ぐに実現できる」事業をみつけること。また、行動することが最も有効な情報収集方法でもあります。じっくり考え、周りに気を配りながら、丁寧に仕事を進める傾向にある日本では、直ぐに実現できる小さなことから始め、走りながら仲間とつながり、事業を発展させる仕組みが必要だといえます。
 
サロン風景 サロン風景
サロン風景
 
【サロンを終えて】
 今回は、廣田氏の意向もあって、始まる前に軽くお酒を飲み、場が和んでからサロンをスタート。現地での研究を踏まえた廣田氏のお話は、細部にわたり説得力があり、シリコンバレーのスタートアップの仕組みを理解する上で大いに役立ちました。また、その後のフロアとのディスカッションは、いかに日本のスタートアップを促進するかで盛り上がりました。参加者の皆様、ありがとうございました。
 
 なお、当日のサロンの様子がアサヒラボ・ガーデンのHPでも紹介されています。そちらもご覧いただければ幸いです。
アサヒラボ・ガーデンのHPはこちら

 

(サロン委員:小林哲)

 
Join us

会員情報の変更や、領収書の発行などができます。

入会についての詳細はこちらから。

member