第4回アジア発のマーケティング研究報告会レポート「中国市場の現状と日系企業の課題」 |
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テーマ:「中国市場の現状と日系企業の課題」
ゲスト:笃志(上海)商务咨询有限公司 代表 岩田篤氏
日 程:2017年12月18日 18:00-20:00
場 所:東洋大学 白山キャンパス6号館6405教室
【報告会レポート】
今回ゲストスピーカーに迎えた岩田篤氏は,1980年に富士フイルムに入社し,磁気記録,電子映像や液晶パネル事業などの複数の部門で,国内のみならず欧米における大型事業プロジェクトに関わるなど豊富な実績を積んできた。2008年から中国国有企業との合弁事業統括を経て,2011年から2013年まで中国駐在し(副総経理及びコンシューマー事業本部長),同社の中国事業を牽引してきた。
講演は,簡単な自己紹介のあと,中国市場全般の説明に続き,消費マーケットの特徴,中国の小売チャネルの日本との違い,そして爆発的な成長を遂げているEC市場について解説がなされた。後半は,中国マーケットの最近の変化,日系企業が中国ビジネスで陥りやすい落とし穴,およびこれからのマーケティング課題についても詳細に言及された。とくに興味深いのは,中国ビジネスの基本は「人間関係」であり,人脈と信頼作りは非常に重要で,そのためにも文化を理解し受け止めることが大切という指摘であった。同氏は豊富な現場経験と優れたコミュニケーション能力に基づいて,中国の人間関係を5つに分類し,中国でのローカルビジネスを支えるためには相応の関係構築が必須だと力説した。
写真左より、会場の様子、岩田氏
講演終了後の質疑応答の時間では,参加者から活発に手が挙がった。中国市場の流通事情,顧客データの実態,そして日本ブランドの中国市場における現状について,率直な意見交換が行われた。シェアリング・ビジネスやキャッシュレス化などで日本でも最近改めて話題に上ることが多い中国市場だが,日系企業のビジネス環境も大きく変わってきており,マーケティング戦略も大きな課題に直面している。
(プロジェクトリーダー:金春姫)