リサーチプロジェクト
研究報告会レポート

第6回フードビジネス・イノベーション研究報告会レポート「IoFが世界を変える」

第6回 フードビジネス・イノベーション研究報告会
講 演:デジタル社会とフードシステム-IoFが世界を変える-
     亀岡 孝治 氏(三重大学大学院 生物資源学研究科 教授、一般社団法人ALFAE 代表理事)
 
日 程: 2018年6月1日(金)18:30-20:30
会 場:学習院大学 東2号館13F 第1会議室
共 催:大阪市立大学 経営学研究科 小林研究室

 

【報告会レポート】
 フードビジネス・イノベーション研究会は、昨年まで「アグリ&アクアフード・マーケティング研究会」として活動しておりましたが、今年度「フードビジネス・イノベーション研究会」に名称変更し、新たなスタートを切りました。その理由は、ICTなどの技術革新やSDGsに象徴される社会的ニーズの高まりにより、フードビジネスが大きな転換期を迎えていることにあります。そこで、変わりつつある環境に適応したフードビジネスのあり方を論理的に考察するとともに、新たなビジネスモデルを構築・実践するための方法論を議論する場となればという思いを込めてフードビジネス・イノベーション研究会に名称変更いたしました。もちろん、農水畜産業やフード・バリューチェーンを顧客視点から捉え直すと言うアグリ&アクアフード・マーケティング研究会の理念は、フードビジネス・イノベーション研究会においても根底をなすものであり、これらの問題も引き続き議論していきますのでよろしくお願いいたします。
 
 さて、2018年6月1日、名称変更後初めての研究報告会(アグリ&アクアフード・マーケティング研究会を含め6回目)が、学習院大学で開催されました。今回のテーマは、「IoF (Internet of Food)」。社会全体の情報化が進む中で、農業も「精密農業」「スマート農業」の時代を経て、デジタル社会のキーワードであるIoT、AI、ビッグデータなどが農を支える「デジタル農業」に移行しつつあります。こうした状況の中、海外では、デジタルテクノロジーを軸に食のイノベーションを創出するスタートアップを支援するFeeding the Acceleratorプログラムが立ち上がり、そのコンセプトとしてIoFを提唱し、話題を集めています。
 
 そこで今回は、デジタル農業に造詣の深い三重大学の亀岡孝治先生をお迎えし、デジタル農業がフードビジネスにどのような影響を与えるかお話しいただきました。亀岡先生の講演は、デジタル農業に至るまでの農業の歴史から始まり、デジタル農業では、気候情報をはじめ膨大な情報が蓄積・活用され始めていること。また、IoTにより農機具等がつながるためには水平的な情報ネットワークの構築が不可欠なこと。そして、その情報をフード・バリューチェーンの中で活用するには、国を超えた垂直的な情報ネットワークの構築も必要となり、AgGatewayなどの農業ICTの国際的な標準化が課題となっていること。一方で、SDGsに象徴される持続可能な農業および食の提供が求められており、農業という一産業内のみならず、「食」という広い範囲での情報ネットワーク化すなわちIoFの構築が、グローバルおよびローカルなエコシステムの実現のために必要なことが指摘されました。
 

亀岡氏
 
 講演後の質疑応答では、IoFの取り組みに対する海外と日本との進展状況の違いや、その原因、IoF時代におけるグローバルな標準化とローカルな多様化との両立可能性などについて質問があり、IoFがフードビジネス全般に与える影響や、その中でマーケティングの役割について、フロアを交えて活発な議論がなされました。
 

写真左より、フロアの様子、亀岡氏の研究報告
 
【報告会を終えて】
 今回は、テーマが魅力的だったこともあり、41名と多くの方に参加いただきました。また、亀岡先生には、非常にテクニカルな内容を分かりやすく解説していただくとともに、ビジネスに関する質問にも踏み込んだコメントをしていただき、学際的な研究報告会になりました。ありがとうございました。これからも刺激的な話題が提供できるよう企画してまいりますので、ぜひ参加いただければ幸いです。
 
(プロジェクトリーダー:小林 哲)

 
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