リサーチプロジェクト
研究報告会レポート

第6回価値共創型マーケティング研究
報告会レポート
「顧客の消費プロセスで行う
マーケティング」

第6回価値共創型マーケティング研究報告会
テーマ:「顧客の消費プロセスで行うマーケティング」
日 程:2014年9月6日(土)13:30-16:30
場 所:キャンパスイノベーションセンター東京(東京工業大学田町キャンパス)

 

【報告会レポート】
 今年度の価値共創型マーケティング研究会は、価値共創の理論化と実践への展開に向けた模索へと議論を進めます。第6回の研究会は、顧客の消費プロセスにアプローチする企業活動に注目し、新たな視点によるマーケティング活動はどのように構築可能なのかを議論しました。参加者の皆様とは大変活発なディスカッションを展開することができました。
 
報告者と内容は以下の通りです。
 

佐藤幸夫氏(多摩大学)
「医療用医薬品を扱う製薬企業のマーケティング活動について -S-Dロジックの概念がもたらす意味とは-」
 佐藤氏は、製薬企業におけるサービスに注目して報告されました。最初に医療における顧客の消費プロセスの特殊性を確認し、続いて消費プロセスにおいて展開し得るマーケティングへと議論を進めます。特に、ナレッジマネジメントの概念の応用を試み、臨床現場における暗黙知を組織レベルで共有し、顧客との価値共創が可能になる仕組みづくりの重要性をご指摘になりました。
 

森一彦氏(大広・関西学院大学)
「価値共創の視点から顧客の消費プロセスで行うマーケティング」
 森氏は、サービス・ドミナント・ロジックの視点から価値共創の概念に注目し、そのうえでブランド領域での新たな可能性についての試論を展開するねらいで報告されました。最初に顧客の消費プロセスに焦点を当て、価値共創の具体的な様相を確認し、そのうえで、企業側に迫られている戦略変化を検討しました。続いてブランド戦略としてのオペラント資源の”動員-稼働”について分析がなされ、さいごに、消費プロセスで共創を促進する企業・顧客間のコミュニケーションを再検討し、既存研究からの転換についての考察が述べられました。
 

 


写真左から、佐藤幸夫氏、森一彦氏
 


会場の様子
 

  • コーディネーター
  • 村松 潤一 氏(広島大学)
  • パネリスト
  • 佐藤 幸夫 氏(多摩大学)
  • 森 一彦 氏(大広・関西学院大学)
  • 藤岡 芳郎 氏(大阪産業大学)

 

 フロアからは、医療分野特有のサプライチェーンゆえに企業・顧客間の価値共創が困難ではないかとの指摘がありました。また、顧客が自身の治療に対し医療行為の違いを単純に比較できないことも採りあげられ、製薬企業が顧客に向けてマーケティング活動を展開することの困難さが議論になりました。ただし、価値共創は顧客の意志や能力に依存するため、コミュニティの場なしに意志や能力は可視化できないとの意見もありました。さらに、多くの顧客が企業活動を好意的に捉え意志を示す場を提供するためには、それなりの工夫が必要なほか、企業側の管理操作が意識されない環境の確保が必要ではないだろうかということでした。価値共創を可能にするためには、まずコミュニケーションの場が必要であり、その場が機能する必要があります。ウェブはその場となり得る可能性が高く、顧客の多様なニーズが顕在化するとともに、企業が提供するサービスに幅広い可能性があることを理解してもらう契機にもなります。ここに価値共創アプローチの大きな意義があり、ますます注目できる視点であると考えられます。今回は事例の深掘りによってこうした活発な議論が展開できました。
 

 次回の研究会は12月21日(日)(時間は未定、場所は大阪産業大学梅田サテライトキャンパス)にて開催予定です。会員の皆様のご参加をお待ちしております。
 

(文責:今村)

 

 
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