日本マーケティング学会の設立に あたっての会長挨拶 |
本学会の発足にあたって、多くの期待が寄せられていますが、初代会長として、次の2つ期待に応えたいと思います。
第一は、マーケティングの理論と実践との深いレベルでの交流を促すことです。理論研究者は、実践からの挑戦を糧に、新しい理論作りに励みます。
他方、実践者は、理論によって、時代を超え文化を超えた力強い支えを与えられます。理論なき実践は、いかに独創的であっても、社会に定着することはかないません。この意味で、実践と理論は互いに支えあいながら、互いに成長することになります。本学会は、それを促すような場を準備したいと思います。
第二に、マーケティングの機能や思考は、多方面に及んでいるという現実に応えることです。メーカーの市場問題を解決すべく生まれたマーケティングの実践と理論は、現在では、サービス分野にも広く深く広がっています。小売やフーズ、観光、医療、さらには大学や行政、地域といった分野において、創意あるマーケティング実践が試みられ理論化が進展しています。それぞれの分野で蓄積された知見を互いに学びあう、そうした機会を創りたいと思います。
本学会においては、こうした研究と実践の間での、そして他分野との深いレベルでの交流を目指します。まさに本学会は、「探求と創発」の場を提供します。そして、これまでにないマーケティングにおける研究の独創的な渦と創意工夫溢れる実践が生まれてくることを期待してやみません。
2012年8月
日本マーケティング学会
初代会長 石井淳蔵(2012年8月-2017年3月)
> 第4代会長(第5期:2021年4月-2023年3月) 小林 哲のあいさつ