会長のあいさつ

日本マーケティング学会
の会長挨拶

会長 田中洋「探究と創発」の第2ステージへ
  
 2012年本学会発足以来、5年が経ちました。この間ゼロからスタートして2000名近い学会員が集結しました。また、学術研究誌『マーケティングジャーナル』、マーケティングサロン、リサーチプロジェクト、カンファレンスなどの活動も活発に行われ、学会全体はますます活況を帯びています。活動に困難を覚えている学会が多い中、日本マーケティング学会のこのようなあり方は社会的にも大きな注目を浴びています。
  
 このように最初から目覚ましいスタートを切れたのは、学会員おひとりひとりのご貢献、学会活動をリードする研究者と実務家の方々の努力、さらに執行部・理事・監事・サロン委員・評議員・事務局の方々の働きによるものと深く感謝申し上げます。特に、二期にわたり初代会長を務めていただいた石井淳蔵先生が発揮されたリーダーシップに、あらためて謝意を表するとともに、引き続き執行部として学会へのご助力をお願いする次第です。
  
 私たちの学会の大きな特徴は、石井前会長も強調しておられたように、「探求と創発」の場であることです。それは、理論と実践の活発な交流、マーケティング機能と思考を社会の多くの分野に浸透させ応用していることに表れています。
  
 学会発足から5年を経て、学会活動は新たなステップに差し掛かっていると考えます。それは「探究と創発」の第2ステージです。具体的にはこれまでの学会活動を量的に質的に拡大することです。それは学会員の増加ということにはとどまりません。ここでは3つの拡大のポイントを挙げたいと思います。
  
 第一に、2017年春から始まった「春のリサプロ祭り」のように、学会員同士、研究者と実務家の交流を加速させる場をさらに創造していくことがあります。学会というものの大事な意義は、そうした学会員同士の「化学反応」を促進していくことにあるからです。
  
 第二に、学会活動の質の深化が必要です。それは研究のもつ質をより深めていくことを意味しています。従来から本学会は『マーケティングジャーナル』という学会誌を持ち、年4回という発行サイクルを維持しながら高い水準の研究を発表してきました。今年から新たな編集長と委員を迎え、学会誌としてより高い水準の研究が待たれています。研究の質を高めるためには、リサーチプロジェクトが一層重要な役割を担うようになるでしょうし、同時に実務家からのさらなるインプットも求められます。アメリカのマーケティング・サイエンス・インスティチュートが発表しているような、優先すべき研究のアジェンダを設定していくことも必要になってくるでしょう。
  
 三番目の学会活動拡大のポイントは国際化です。今日、学会活動が社会から評価を得るためには、海外の研究者たちとの協働が欠かせません。本学会がもつ独自の研究と実務的な資源を活用しながら、国際的なネットワークの場を広げるにはどうしたら良いのか、さらに検討していきたいと考えています。
  
 「探求と創発」の第2ステージに向けて、本学会に集う研究者と実務家のみなさんのさらなる積極的な参加と、ご貢献を期待してやみません。

 
2017年4月
日本マーケティング学会
第2代会長 田中洋(第3期:2017年4月-2019年3月)

 

> 第4代会長(第5期:2021年4月-2023年3月) 小林 哲のあいさつ

> 第3代会長(第4期:2019年4月-2021年3月) 古川 一郎のあいさつ

> 初代会長(第1-2期:2012年8月-2017年3月) 石井 淳蔵のあいさつ

 
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