ニュースリリース

第1回ソーシャル・ビジネス研究
報告会レポート
「つくらないデザイン
-コミュニティデザイン-」

第1回 ソーシャル・ビジネス研究会
テーマ:「つくらないデザイン -コミュニティデザイン-」
ゲスト:studio-L 代表、京都造形芸術大学教授 山崎 亮 氏
日程 :2013年3月14日 16:30-18:30
場所 :流通科学大学 大阪オフィス

 

坊主頭のひげ面に白いシャツとチノパンスタイルで登場した山崎さん。いきなり「2時間との話だったのでスライドを300枚用意しました」。司会者が1時間の講演でお願いすると、「1時間での話なら街中編と僻地編どちらがいいですか」とフロアに選択を委ねながら、街中編を山崎さんが選択して講演スタート。
コミュニティデザインという仕事のベースになった、兵庫県立有馬富士公園の地域住民参加型の仕組み、遺跡と地域生活が共生する堺市環濠(かんごう)都市の仕組み、コミュニティデザイナーの肩書きを名乗るきっかけになった鹿児島マルヤガーデンズなどのプロジェクトなどを紹介。写真と図表を使いながら、山崎さんの軽快かつ地域の方々とのお笑いエピーソードを交えて講演は進む。

 

写真左から、ゲストの山崎さん、会場の様子

 

活発な質疑の後、石井淳蔵先生と石原武政先生から次のようなコメントを頂く。

 

「日々の生活の中に生きがいを生みだし、そして地域自体をも再生するこの手法への地域の期待は高い。そして、大学そして学会でコミュニティデザインを活用したい」(石井淳蔵先生)

 

「地域の参加を促進する必要性をよく指摘されるが、どうすれば参加を促すことができるのかを示して頂いた。人口減少社会を受け売れることに抵抗はあるが、それを受け入れることが必要。そのためにどこまで行ったら下げ止まるのかを示すことが必要になる。さらにその前提で現在の地域や商店街の設計をどのように行うかを考える上で本日のお話しは参考になった」(石原武政先生)

 


写真左から、石井淳蔵先生、石原武政先生

 

事務局担当から

「つくらないデザイン」であるコミュニティデザインは、一言で言うと、社会に埋もれる人々が主役になれる場を創ること。主役になると言うことは、個人が地域社会の課題解決につながる状況を目に見える形でうまく創り上げること。講演時に山崎さんは、超長期で眺めると日本の人口が1億二千人存在する「異常な事態」と説明。これから日本社会ではじまる人口減少をにらんで緩やかに社会を運営する仕組みを変えていく上で、少ない資源で広く価値を生み出すこのモデルは、興味深い。
一見、山崎さんのキャラクターでしか実現しないように思いがちだが、コミュニティデザインを進める上で重要なやり取りがあった。コミュニティデザインの仕事には行政との連携が欠かせない。以前、行政にお勤めの参加者から、「(各地区での活動における)行政との関係について」意見を求められたときの山崎さんの答えに感心させられた。行政への不満や要求が出てくるかと思ったら、「行政と議会との関係、行政の決済の仕組みを理解した上で行動しなければうまくいかない。行政の皆さんは貝のようなもので批判すればするほど閉じてしまう。」の答え。相手を理解し、味方にするための行動の必要性はどの分野でも共通であり、コミュニティデザインを推進する上で重要。今回、聞けなかった「僻地編」もぜひ聞いてみたい。

 
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