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第65回マーケティングサロンレポート「MBA住職のマーケティング辻説法~仏教コンテンツのマーケティング実践事例~」

第65回 マーケティングサロン
「MBA住職のマーケティング辻説法~仏教コンテンツのマーケティング実践事例~」
日程:2017年9月26日(火)19:00-21:00
場所:早稲田大学 8号館
ゲスト:青江 覚峰(あおえかくほう) 氏(株式会社なか道 代表取締役、浄土真宗東本願寺派 湯島山緑泉寺住職) 
サロン委員:藪原和雄・中谷淳一

 
【サロンレポート】
 今回のサロンでは、住職、著者、料理僧、ファシリテーターと様々な顔を持つMBA僧侶の青江住職に、宗教×マーケティングというテーマで説法(講演)いただきました。
 5世紀の仏教伝来は、それまでの神道とは異なり「仏具」「仏像」「お経」という人(お坊さん)を介さないテレコミュニケーションの伝来、すなわち技術革新の導入であった。また、江戸時代に盛んに行われるようになった「出開帳」もスポンサーを集め、寺院の修復、伽藍建設などの資金調達の手段として行われており、歴史を紐解くと仏教とマーケティングは非常に近い関係があったといえる。
  

  
 青江住職は、仏教を広く伝えるためにいくつものプロジェクトに携わっておられ、取り組まれた3つの事例をご紹介いただいた。
  
・神谷町オープンテラス
 お墓と東京タワーが見えるお寺を無料テラスとして開放した取り組み。喫茶サービスや無料Wi-Fiを提供し、檀家や参拝の方が利用するのは勿論、お昼時には近隣のサラリーマンやOLがランチにやってくるなど、「ツナガルオテラ」として地域の交流の場となっている。お寺は、昔から「人と人がつながる場」であり、テラスという現代風にアレンジしたものの、やっていることは昔と何もかわっていない。
  
・寺社フェス「向源」
 神道や仏教などを含めたさまざまな日本の伝統文化を体験できるイベントの副代表を務めてきた。「フェス」という形式をとることで若い日本人に参加しやすくするとともに、訪日外国人には本物の日本文化に触れてもらう機会として2011年から開催。毎年、規模を大きくして開催を重ね2016年には、日本橋・増上寺・神田明神での開催と宗教を超え、そしてまちを巻き込んだイベントに発展した。
   
・サチのお寺ご飯 
 主人公のOLが料理で仏の道を伝える3人組と出会い仕事・人間関係・恋愛で躓きながらも成長していくまんがの監修、そしてこのまんがを原作としたテレビドラマの監修に携われっている。いかに炎上を抑えつつも面白さを残すかとうせめぎあいの中で、仏教の枠に収まっているか、お寺や檀家の皆さんが見ても問題外がないか等他のコンテンツにはない難しさがある。
  
・「喫茶喫パン」ワークショップ
講演の後半では、小さいパンを青江住職の誘導に従って、20分かけてじっくりと味わって食べる「喫茶喫パン」のワークショップを参加者のて皆さんで行いました。
  

  
【サロンを終えて】
 新年に行う七福神巡りや節分の時の豆まきなどのイベントドリブンなプロモーションや御朱印集め、現在注目を集めているマインドフルネスなど、仏教コンテンツをマーケティングのフレームで取り上げてみたいという我々の「煩悩」から今回の講演を企画しましたが、歴史的な背景とともに仏教というコンテンツ特有の難しさがあることを学んだ時間になりました。
 パンを食べるワークショップも好評で、参加された多くの方は、ワークショップを終えてスッキリされた顔をされていた一方で、懇親会の場所探しに苦戦していた我々は、なかなか集中できず、、、、煩悩と向き合うことになってしまいました。
  
集合写真
前列右から3人目が青江住職
  
(文責:藪原和雄・中谷淳一)

 
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