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第76回マーケティングサロンレポート「インバウンドメディアによるマーケティング戦略について」

第76回 マーケティングサロン
「インバウンドメディアによるマーケティング戦略について」
日程:2018年5月22日(火)19:00-21:00
場所:台東区民会館8階第3会議室
ゲスト:青木 優 氏(株式会社MATCHA 代表取締役)
サロン委員:小谷 恵子・福田 徹・藤井 祐剛・東口 晃子・高橋 千恵子
 
【サロンレポート】
 東京オリンピックが2年後に迫る中、訪日外国人数は毎年飛躍的に伸びており、それに伴い旅行消費額は2017年に4.4兆円となっています。企業や自治体は、加速するインバウンドマネーをどうやって獲得すればよいのか…着物姿の訪日外国人であふれる浅草に本社を置き、日本の魅力を世界に発信するWebマガジンを10か国語で提供している株式会社MATCHAの青木氏に、メディアを利用したインバウンド・マーケティングについてお話いただきました。
 
【ゲストプロフィール】
青木 優 氏
株式会社MATCHA代表取締役社長、内閣府クールジャパン・地域プロデューサー。学生時代に世界一周の旅をし、2012年ドーハ国際ブックフェアーのプロデュース業務に従事する。デジタルエージェンシーaugment5 inc.に勤めた後、独立。2014年2月より訪日外国人向けWEBメディア「MATCHA」の運営を開始。「MATCHA」は現在10言語、世界200ヶ国以上からアクセスがあり、様々な企業や県、自治体と連携し海外への情報発信を行なっている。
 
<概要>
 MATCHAでは、MISSION「日本の価値ある文化を、時代とともに創っていく。」、VISION「世界最大の訪日観光プラットフォームになる。」をかがげ、WEBメディア「MATCHA」を運営しており、現在訪日外国人の10から15%が見ているWEBメディアとなっています。ビジネスモデルは、記事広告やSNS運営で、特に現場における独自取材を大事にしています。また最近では、クライアント様と一緒にビジョンを作る仕事もしています。
 
1.インバウンドメディアのマーケティング戦略
 日本を訪れた外国人は昨年2,800万人で、今年は3,000万人を超えると予想されています。日本における消費額では、買い物に一番お金が使われていおり、次いて、宿泊、飲食、交通費となっています。2018年の消費額の40%は中国です。MATCAHとしては、消費額や国別の訪日人口だけではなく、その国の人口に対する訪日人口比率も注目しており、その点では台湾が一番多いです。
 
2.検索(SEO)・SNS・メディア連携
 検索で上位に表示されるためには、ユーザが求めている情報を提供する必要があります。例えば、アメリカから”MIYAZAKI”と検索するとどういった結果がでるか?宮崎県ではなく宮崎駿が出てきます。「認知されていない=検索されない」であるため、知られていいないと検索されません。ターゲットとしている国からどのような言葉が検索されているかを知るのがとても重要になります。
 また、近年はSNSが入り口となり、”共感”を入り口として情報が入ってきます。
 メディア連携については、海外メディアと連携が重要だと考えており、台湾、韓国や香港などのメディアと連携し、そこにMATCHAの記事を出しています。
 マーケティングにおける消費者行動は、Attention -> Interest -> Planning -> Experienceという流れがあり、MATCHAはAttentionからPlanningの一部が事業分野です。従来は、検索から有名観光地やエリア等への誘致が主力でしたが、個別記事(オリジナルコンテンツ)でまだ知られていない日本の素晴らしさを伝えることに仕事の比重を上げていきたいと考えています。
 
3.対海外へ情報発信するために意識すべきこと
「日本人の当たり前は、当たり前ではない」:例えば日本では“夏といえば風鈴”ですが、直訳しても外国人には理解できないので、どのように伝えれば理解できるかを考えながら情報を発信しています。
「そこにしかない何かを発信する」:希少性、そこでしか体験できないことを発見し、伝えていくことを心がけています。
「外国パートナーと組む」:日本企業だけではなく、外国の大きなチャネルと提携して、発信していくことが大切です。
 
<グループワーク>
「日本の魅力を世界に発信していくとしたら、何を、誰に対して、どうやって発信していくか」というテーマでグループワークを行いました。「日本の駄菓子を、子供の健康に気遣う中国人富裕層向けに、機内食として駄菓子の提供や旅先でも駄菓子制作を行う。」、「日本独自の公営競技を、買い方がわからないけどその体験を価値とし、地方の観光とセットとして外国人を誘致する。」、「浅草を産業観光の地として、伝統・古き良き日本をPR。日本人向けに職人技を見せている人を外国人にも伝える。」など様々なアイデアが出てきました。青木氏から各グループ発表に対するアドバイスや感想、最後にQ&Aを行い、サロンを終えました。
 
【サロンを終えて】
 Q&Aでは、参加者から非常に具体的な質問が多くでおり、参加者のインバウンドに対する関心が非常に高いことを改めて実感しました。また、2020年の東京オリンピック後も日本が観光立国として発展しくためには、「希少性やそこでしか体験できないこと」を常に考え、提供していくことが大切であると感じました。この場を借り、青木氏ならびにご参加者の皆様に改めてお礼申し上げます。
 
集合写真
集合写真
 
(文責:福田徹)

 
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