第90回マーケティングサロンレポート 「女性の心をつかむ神戸発バレエシューズ「ファルファーレ」のブランド戦略 ~常設店舗を持たずに年間8万足を売る秘訣~」 |
第90回 マーケティングサロン:兵庫
女性の心をつかむ神戸発バレエシューズ「ファルファーレ」のブランド戦略
~常設店舗を持たずに年間8万足を売る秘訣~
日程:2019年4月20日(土)13:30-15:00
場所:武庫川女子大学 中央キャンパス 文学2号館3階
ゲスト:(株)クロシェホールディングス 代表取締役 沼部 美由紀 氏
サロン委員:高橋 千枝子
【ゲストプロフィール】
株式会社クロシェホールディングス 代表取締役 沼部 美由紀(ぬまべ みゆき)氏
大学卒業後、住友銀行に入社。同社退職後、食器輸入会社を立上げ、その後アパレル事業も展開。セレクトショップ「ジャスミンピークス」や神戸・山の手スカートブランド「トレコード」を手掛ける。2013年から始めたバレエシューズブランド「ファルファーレ」が人気を呼んでいる。女性スタッフが多く、働く女性の環境づくりにも積極的に取り組む。関西財界セミナー賞2019「輝く女性賞」受賞。
【サロンレポート】
ファッション不況の中、神戸生まれのバレエシューズブランド「ファルファーレ」は常設店舗を持たずに年間8万足を売り上げ、女性の心をつかみ続けています。サロンでは長年のビジネス経験で生み出してきた成功のセオリーについてお話頂きました。
わずかバレエシューズ1種類、常設店舗無し、広告宣伝無し、という条件の中、どうして売れているのか。通常ファッション業界では展示会のため数多くの型を製作しますが、それをバレエシューズ1型に絞り込むことで、生産・品質・販売・顧客側いずれの立場でもメリットがあること。そして女性の心をつかむには商品だけではなく、物語や世界観といったブランドが重要であり、ショップのディスプレイや販促ツール、販売員のトークに至るまで徹底すること。あえて固定店舗を持たない、広告をしないことで、たまに来るサーカスのようなワクワク感を醸成することなど、女性の心をつかむマーケティングの工夫が満載です。そしてこのビジネスモデルは商品を変えて横展開でき、まだまだ成長ポテンシャルが高いことも示されました。
【サロンを終えて】
今回のサロンでお話頂いた話は、まさしくブランド論やリレーションシップマーケティングに出てくるような内容で、それを沼部社長は実務経験を通じて直感的に掴んできたところに非常に興味を持ちました。ウーマンエコノミー時代到来の中、女性消費を掴むことと、女性従業員をエンパワーメントする両方を成し遂げる女性経営者の存在意義は益々大きくなり、新しい時代の幕開けを感じました。
写真左より、商品写真、集合写真
(サロン委員:高橋 千枝子)