ニュースリリース

第117回マーケティングサロンレポート「トヨタの「カイゼン」がもたらすエフェクチュエーション能力の向上」

#いまマーケティングができること

第117回 マーケティングサロン:オンライン
「トヨタの「カイゼン」がもたらすエフェクチュエーション能力の向上」
 
日程:2020年11月9日(月)19:00-21:00
場所:Zoom使用によるオンライン開催
ゲスト:神戸大学大学院 経営学研究科 教授 栗木 契 氏
サロン委員:山口 夕妃子・小野 和美・副田 治
 
【サロンレポート】
 エフェクチュエーションは、インド生まれでアメリカで活躍する経営学者のサラス・サラスバシー氏が体系化した理論。今回のサロンは、エフェクチュエーションについて、長きにわたって研究と発信をされておられる栗木先生の肉声で学ぶことができるという、願ってもない機会。九州支部のサロンは、前回より「講師と身近にディスカッションできる少人数開催」というコンセプトを掲げており、今回も、先生を身近に感じることができるサロンとなった。
 
 さて、内容に移ろう。講演タイトルは「トヨタのカイゼンがもたらすエフェクチュエーション能力の向上」というものだ。誰もが知るトヨタの“カイゼン”とエフェクチュエーションを結びつけるものは何か?という疑問を、約40分の講義を通して、わかりやすく解いていただいた。
 一見、難解な理論のようなエフェクチュエーション。先生の説明に惹き込まれ、気がつけば、そこは「エフェクチュエーション」を思考する世界だった。
 手始めに、「手中の鳥」「許容可能な損失」「クレイジーキルト」「レモネード」「飛行中のパイロット」という5つの行動原則の解説に始まり、具体事例の話に移り進んだ。マーケティングの世界で慣習とされる「先ずは調査」とは逆に、エフェクチュエーションでは「先ずは行動」がその象徴だ。「ビル倒し(片端にビルからビルへ企業向けの新企画を持ち込む)」を繰り返せば、中には採用してくれる会社もある。また、採用されずとも、アドバイスを受けることで企画の精度があがる。」という解説は特にわかりやすいものであった。我々は「調査や分析で、石橋をたたいて渡るのが良いのだ。」という考えにとらわれるが、多くの起業家たちは「先ずは行動」することで結果を導いている。
 
 話はトヨタの事例に移る。トヨタは2008年のリーマンショック時に、60年ぶりの赤字転落に陥ったという。先生は当時の状況を語る記事を探し、『文藝春秋2009年3月号』に行き着いた。「需要の減少は天の与えてくれた絶好のチャンス。生産工程を一斉に見直すことで、次ぎの好況時に、一気に結果が現れて、利益が出るのだ。」という、当時のトヨタ自動車会長であった張氏の発言に注目し、トヨタ自動車の社風「なぜを5回繰り返す会社」という、エフェクチュエーションに通じる考え方があるのだ。と、先生からの示唆を得た。
 続いてディスカッション。先生の発案により、「コロナ禍における対応の成功・失敗それはなぜ?」という質問が受講者に示され、グループワークで話し合った。エフェクチュエーション関連する様々な意見が挙げられディスカッションは大いに盛り上がった。最後に先生から「コロナ禍は絶好のチャンス?」というスライドが示され、受講生一同「今こそ行動が大切だ」という確認に至り、和やかな雰囲気でサロンは閉会した。
 
【サロンを終えて】
 厳しい状況が続くコロナ禍。我々はあえぐだけでなく、危機の状況だからこそ、エフェクチュエーションの発想で行動し、ビジネスを発展させていくことができるという明るい光で照らしていただけた。
 栗木先生、サロンを通じて、エフェクチュエーション理論をわかりやすく解説いただいただけでなく、今必要なのは行動。という重要な考えをお示しいただき、本当にありがとうござました。
 

 
(文責:副田 治)

 
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