第80回マーケティングサロンレポート「銀座の流儀 -クラブ稲葉オーナーママに学ぶマーケティング-」 |
第80回 マーケティングサロン:東京
「銀座の流儀 -クラブ稲葉オーナーママに学ぶマーケティング-」
日程:2018年8月30日(木)19:00-20:30
場所:銀座フェニックスプラザ(紙パルプ会館)
ゲスト:銀座クラブ「稲葉」オーナーママ 白坂 亜紀 氏
サロン委員:薮原 和雄・中谷 淳一
【サロンレポート】
第80回マーケティングサロンは、「銀座の流儀 -クラブ稲葉オーナーママに学ぶマーケティング-」と題して、NHKのプロフェッショナル仕事の流儀にもご出演されたクラブ稲葉のオーナーママ白坂亜紀さんをお招きし開催いたしました。
白坂さんは、銀座の高級クラブや日本料理店のオーナーという経営者の顔を持つ現役のママであるとともに、銀座料理飲食業組合連合会理事、銀座ミツバチプロジェクト理事、生まれ故郷の大分県竹田市の東京事務所所長などのまちの活性化運動に取り組まれ、また女性のための勉強会や学生向けの勉強会を毎月主催されるなど、お店のママの枠を越えてご活躍されています。
出勤前のお忙しい時間にご登壇いただき、ご自身の水商売で生きていこうと決心されたきっかけ、粋なお客さまとのエピソード。非常識な経営スタイル、おもてなしで心がけていること、そして銀座や生まれ故郷のまちづくりなど、お話しいただきました。
【概要】
ノルマなしで23年
銀座のクラブのホステスさんは、通常、個人事業主で、売上(ノルマ)もツケの回収責任も負っており、連続してノルマが達成できないと戦略外通告されます。しかし、白坂さんは、一人一人の個性を尊重し、その人個人のペースが大事だと考えられています。また、お店は特定の個人の力だけではなく、チームワークで盛り上げることを目指し、ホステスさんがお店に愛着を持てるように、お店に対してできること、つまり自分の役割を作ってもらうようにされているそうです。ママとして必要な要件として、気力・体力、おもてなし、経営力、人材育成を挙げられていました。
おもてなしで心がけていること
銀座のママに求められる「おもてなし」について、白坂さんは具体的に心がけていることとして以下の内容をお話しされていました。
・美しくいること
・笑顔でいること
・コミュニケーション力。適切な相槌と30分以上続く話題を5つは持っていること
・マイナスな発言をしないこと
・観察力を磨き、ほめる時は具体的にほめること
・関心を持つ。情報を引き出し、記憶しておくこと
・ココロをつかむこと
・予測を上回るおもてなしができること
クラブ(お店)の役割
お客様への定期的なコミュニケーションは大切で、月1回のメールマガジンを2万に配信を続けられ、年賀状は毎年24,000枚以上も送られているそうです。もちろん内容にも配慮されており、誰に見られてもいいようにクラブの情報は一切入れていません。また、お店のホステスさんも「お店に来て」という直接的なメール禁止の指導をされているとのこと。なぜなら、クラブの役割は、「癒しの場」「ほめる場(偉い人ほど他人から褒められることが少ない)」「自分へのご褒美ステータス」「擬似ホームパーティ」そして「ビジネスの延長の場-第二秘書室」と考えられているからとのことでした。
【サロンを終えて】
銀座は日本の景気を映すまち、銀座が暗くて日本は明るくならない。そんな強い想いが白坂ママから伝わってくるサロンでした。もっとママのお話をお聞きになりたい方、ほめてほしい方(笑)は、銀座のお店に足を運んでみてはいかがでしょうか。
集合写真
(サロン委員:薮原 和雄 ・中谷 淳一)