第174回マーケティングサロンレポート「デジタル時代のチェンジマネジメント ~インターナル・マーケティングによるファミマDX~」 |
第174回マーケティングサロン:東京 / 嶋口・内田研究会
テーマ:デジタル時代のチェンジマネジメント ~インターナル・マーケティングによるファミマDX~
日 程:2023年8月2日(水)19:00-21:00
場 所:SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)Cross Park
ゲスト:DX JAPAN 代表 植野 大輔 氏
サロン委員:佐藤 圭一、芦田 裕、金 泰元、尾崎 文則、八尾 あすか
【ゲストプロフィール】
植野 大輔(うえの だいすけ)氏
三菱商事、ボストンコンサルティンググループを経て2017年ファミリーマートに入社。デジタル統括責任者として全社デジタル戦略の策定、ファミペイの垂直立ち上げなど同社のDXを主導。20年にDX JAPANを設立。経営リーダーと並走する最上流からのDXアドバイザリーを通じ、複数企業の変革を担う。名古屋商科大学ビジネススクール(NUBC)客員教授。2023年7月にサニーサイドアップグループ最高執行責任者(COO)に就任。
【サロンレポート】
今回のサロンでは、デジタル後発だったファミリーマートが準備期間わずか8か月で「ファミペイ」を立ち上げ、成功に至るまでに行われたアクションを、現場の臨場感たっぷりにご紹介いただきました。
まず、ファミリーマートでは全社改革の初期段階に、Googleと企業文化改革・クラウド技術活用で提携。Googleのイノベーションを生み出す企業文化やチェンジマネジメント手法を社内に取り入れ、「企業文化の見える化」「経営陣のコミット」「伝播の仕掛け」等に取り組まれました。
そして、ファミペイの立ち上げに至っては、真っ先に全社横断組織体制を構築し、力強いDXに着手。特に1万6,500店舗、約30万人のスタッフをDXするために、デジタル責任者の植野様自身が全国行脚し、スタッフ向けに100回を超える方針説明、漫画を活用したファミペイ社内報、社内動画ニュースへのレギュラー露出など、徹底したインナーマーケティングを実施されたそうです。
最後に植野様がご紹介された「変化こそ唯一の永遠である(岡倉天心)」という言葉は、このVUCAの時代において現状維持こそが衰退であるというご説明とともに、非常に印象深く残りました。
質疑応答では、実際にDXと対峙されている参加者の皆様からたくさんのご質問をいただきました。
今回は、初のSHIBUYA QWSとの共催で、会場をお借りしての実施でした。SHIBUYA QWSのオープンで自由な雰囲気も手伝い、大変盛況のうちに終了いたしました。
【サロンを終えて】
DXというと、システム導入などのテクニカルな部分をイメージしがちですが、それは表層部分であり、最も重要なことは組織の意識を変えること、そしてそのためには非常に泥臭い現場の活動が重要であるということを痛感させられた会となりました。
植野様が実行されたインナーマーケティングは、DXに限らず、新製品発売などの社内の様々なプロジェクト推進のときにも参考にさせていただきたいと感じました。
講演・パネルディスカッションを賜りました植野様、ご参加いただいた皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
(文責:八尾 あすか)